日本経済新聞は24日、東芝が画像用半導体事業をソニーに売却する最終調整に入ったと報じています。東芝は、スマートフォンなどに向けたイメージセンサ事業で世界シェア1.9%(2014年時点)を得ていましたが、撤退に向けた準備が進められているようです。
東芝が今月発表した車載向けCMOSイメージセンサ
日本経済新聞によると、東芝が売却を進める画像用半導体事業は、主力のNAND型フラッシュメモリーに比べて収益率が低く、イメージセンサを生産する大分工場の一部をソニーに売却する交渉を進めているとのことです。同事業の売却額は200億円規模になる見通し。東芝は今年4月に発覚した不適切会計問題を受けてリストラを進める方針で、今回の売却を機に低収益事業のリストラを加速させていくとしています。
ソニーは東芝から、CMOSセンサを主力とするイメージセンサ事業の製造設備や人員を得てCMOSセンサの生産能力を増強するとみられ、世界シェアトップの地位がより強固なものになる見通しです。来年以降は、「iPhone」や「Galaxy」といった世界的に人気なスマートフォンシリーズにデュアルカメラが搭載されるとの予測もあり、急増するカメラモジュールの需要に応える準備を進める模様です。また、東芝が同事業で受け持っていた顧客についてもソニーが継承することになるとしています。
一方の東芝はイメージセンサ事業から撤退して、半導体事業は高収益なメモリに注力することになるようです。不適切会計で遅れていた東芝の構造改革はまだ始まったばかりで、今後も不振事業を中心にリストラが進められていく見込みです。
[日本経済新聞]