サイズも値段もヘビー級、それに見合う何かがある?
ライカが同社初となるミラーレスカメラ「ライカSL」を発表しました。米Gizmodoでは発売より一足早く実機を手にして撮影し、感触を伝えています。以下、米GizmodoのMichael Hession記者/カメラマンです。
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ライカが新しいことに挑戦していく姿勢には、脱帽です。「ライカSL」はまったく新しいフルフレームミラーレスカメラで、レンズとセットで1万2000ドル(約144万円)以上もしますし、ちょっとした岩みたいに重いです。先週末僕はこのライカSLで実際撮影してみたので、その感触をお伝えします。
ライカといえばMシリーズが有名で、そのクラシックなレンジファインダーやマニュアルフォーカス、そしてタイムレスな外観がファンから高く評価されています。が、彼らはもっと未来のことを考え、今の時代にふさわしいカメラで高いパフォーマンス(と、価格)を実現しようとしています。これまでのところ、その努力の成果は、ちょっと残念だったライカTに素晴らしいライカQなど、まちまちです。
その彼らの最新作が、ライカSLです。2400万画素のフルフレームセンサー搭載で、巨大です。新たに作られたSLマウントを使っていて、ネイティブなレンズは24-90mm f/2.8-4、90-280mm f/2.8-4、そして今後発売予定の50mm f/1.4の計3つあります。すべて大きさも重量もずっしりしてます。
SLが高性能カメラなのは疑うまでもありません。僕が使ってみたところ、24-90mmレンズでのディテールのレベルやセンサーの暗いところでの性能はなかなかのものです。現在のトップレベルの一眼レフやミラーレスカメラよりはるかに優れているというほどではありませんが、負けてはいません。
また、下はISO 6400で撮ったものです。
フォーカスは速いですが、ライカが言う「フルフレームミラーレス最速」とまでは感じませんでした。ソニー最新のα7R IIとかα7S IIには明らかに及びません。ざっと使っただけでもわかるほどの差があり、暗いところでは特に顕著でした。ライカSLの他の機能としては、毎秒11コマの高速連写、防塵防滴、デュアルSDカードスロット、大きくてきれいな電子ビューファインダー、などがあります。
さらに、明るいところでは本当にきれいな4K動画も撮れますが、それはセンサーの一部だけで撮っています。なので暗いところでは話が違っていて、かなりのノイズが入ってきます。
でも何はともあれ、フィジカルな問題は大きいです。ライカのえらい人の前で初めてライカSLを持ってみたとき、「くっそ重っ!」と叫びそうになったのを必死に飲み込みました。だってこれ、デジタル一眼レフじゃないんですよ。良いカメラを小さく軽くするために存在しているはずの、ミラーレスカメラなんです。特にひどいのは24-90mm f/2.8-4のレンズです。見た目の通り、重砲です。光学的クオリティは本当に素晴らしい、でも巨大すぎです。
とはいえ、ライカSLのデザインはミニマルで美しく、眺めるだけでも魅力的です。ただその分、使い慣れるまでが大変です。ボタンにはラベルなんかまったく付いてないし、たいていのカメラと違う挙動をします。ただ、ライカSとは共通のユーザーインターフェースみたいです。僕的にすごく気に入ったのはゴムの小さなジョイスティックで、焦点をこれでぐりぐりと動かせるんです。
ライカSLは、たしかに非常に有能です。ただ僕には、これが誰向けのものなのかわかりません。レンガをいくつ持ち歩いても平気なプロカメラマンなら、レンズやコントロールの選択肢がもっと豊富な一眼レフを選ぶはずです。もうちょっと持ち歩きやすいものを求めるプロじゃない人なら、性能的にベターでかつもっともっと手頃なソニーのα7シリーズとか富士フイルムのXシリーズ、オリンパスのOM-Dシリーズを買うと思います。
ライカSLの本体価格は7450ドル(約90万円)、24-90mmレンズは4950ドル(約60万円)です。手持ちのレンズで節約したい人は、ライカTのレンズはAPS-Cサイズでの撮影になりますが、アダプターなしでそのまま使えます。またアダプターを使えば、SマウントやMマウントなど合計145種類のレンズが使用可能です。
発売は今年11月を予定しています。
Michael Hession-Gizmodo US[原文]
(miho)