認知症を公表した女優の大山のぶ代(82)の夫で俳優の砂川啓介(78)が26日、都内で著書『娘になった妻、のぶ代へ』(双葉社刊)出版記念記者会見を行った。きょうも一緒にお昼を食べてきたという大山の現状について「物わかりが良くなって、笑顔も多くなった。気圧の加減で機嫌が良くなったり悪くなったりするみたいです。このところいいお天気が続いているので、よく笑います」と明かした。
公表してから「とっても楽になった」と心境の変化を話した砂川。「僕も認知症予備軍ですけれど、絶対になれないし先に逝けない」といい「先に逝ったほうが楽だと思っていたけれど、先に逝けないという気になりました」と力を込めていた。
また、介護施設の利用はしないと断言。「顔が知られているし、個室だと余計さみしさが出てくる。個室じゃなくてもいろいろ聞かれるのもかわいそうだし、本人もずっとここにいたいって言っていたので、施設にはできるだけ入れたくない」と決意を口にした。
大山の仕事については「あんまりできないと思う」としつつも、先に声を録音するアフレコはできていたと回顧。「認知症の進行がちょっと止まるかも」との期待も寄せていた。さらに「最近は僕が笑うことによって笑いが増えてきた。先のことはわからないけれど、自分の中では徐々によくなっているって思いたい部分がある」といい、自身の経験から介護するときには「よく触ってあげる。僕は照れちゃうけれど、頭をポンとなでると本人は満足しているみたい」と照れ笑いしていた。
会見では表紙にも使用されている今年8月自宅で撮影された夫婦の写真が公開された。同書には長年つづってきた介護日記や、夫婦対談などを収録。介護本では異例となる10万部を突破している。