定時退社し子どもとの時間を増やし、一緒にお風呂に入ればイクメンだと思ってませんか? ママさんがあなたに求めているイクメン像はになるのは実はそれほど簡単ではありません。ここ一年間は毎日5~6時間家事や育児を分担している筆者がイクメンの心得を10箇条でまとめてみました。
“家事ハラ”の前に考えたい、共働き夫婦の「家事負担」理想と現実
イクメンの道は厳しい(かも)
ちょっと前に新聞でイクメン特集が掲載されていたのですが「職場で『週に一度は定時退社して子どもとお風呂に入ります』とイクメン宣言をしたら拍手が起きた」という記事を読んで、びっくりしたことがあります。もちろん職場の同僚には定時退社の協力をお願いしたいところですが、そのくらいのイクメンでは本人だけ悦に入るばかりで、ママの負担がどれほど軽減されるかは疑問です。
定時退社して子どもとの時間を増やし、週に一度は一緒にお風呂に入るだけがイクメンではありません。むしろ「家事」と「育児」をバランスよく夫婦でシェアすることを考える必要があります。
長男が生まれてからそろそろ2年半がたち、2人目の子どもが生後4カ月とイクメン真っ盛りで、ここ1年は毎日5~6時間は家事・育児を分担している筆者(仕事はお金の専門家であるファイナンシャル・プランナーです)が、「イクメン10訓」をまとめてみました。
これからイクメンを目指す男性は「心構え」として、パパをイクメンに改造しようと考えている女性は「操縦方法」の参考として読んでみてください。
イクメン10訓
その1:イクメンして褒められると思うな
その2:自分のパンツは自分で洗え
その3:家事の「仕様」を早く聞き出せ
その4:妻より家事が上手くなってはいけない
その5:「母」であるが「恋人」でもあることを忘れるな
その6:子と遊ぶのはイクメンではない
その7: 家事育児できないならもっと稼げ
その8: 夜の予定は事前申告せよ
その9: 時々、妻にひとりの時間を与えよ
その10: 子育ては面倒と思わず「楽しめ」
自分のことは自分で! イクメン初級者の心得
その1:イクメンして褒められると思うな
イクメンをすれば、褒められると思ってはいけません。イクメンをするとむしろ、職場や家庭で文句を言われたり怒られると思ってください。
「妻の家事負担や育児負担を軽減してあげるのだから、褒められてしかるべきだ」と思うのは大間違いです。育児や家事はそもそも夫婦がふたりでシェアするものです。それに毎日必死に育児に取り組む妻はメンタル的にいっぱいいっぱいで、あなたを褒める余裕などないのです。
叱られることばかりだが育児家事に参加するのは当然のこと、と思ってみてください。とにかく、がんばったら褒めてもらえるなんて思わないことです。
その2:自分のパンツは自分で洗え
子どもの遊び相手をするだけがイクメンではありません。むしろ家事をどこまで担当できるかがイクメンの大事なポイントです。
もし、育児家事の手伝いをする最低限のラインを引くなら、「自分の服は自分で洗う」からスタートしてみましょう。洗濯カゴを分けて、自分の洗い物を自分でやるだけでも、妻の負担とストレスは大きく軽減されます。
子どもの洗い物が増えて、これは今までにない負担になるのですから、自分の洗濯物くらい自分で回しましょう。もちろん、たたんで、引き出しにしまうところまでやるんですよ。
その3:家事の「仕様」を早く聞き出せ
育児や家事を担当すると、「そうじゃないのに!」と何度も言われることになります。最初は下手なのはしょうがないとしても、そこそこ慣れてきても何かと細かいことで怒られます。
こういうときは「仕様」を明確にするようにお願いしましょう。洗濯物の折りたたみ方(タオルをたたむ向きは必ず右だ、とか)、皿洗いのちょっとした手順(皿の積み重ねル-ルとか)など、妻の希望を満たさない限り、お互いストレスの残る家事分担になってしまいます。
「仕様」を言葉にしてもらうことは、ママの家事ルールを明確にする、ということです。家事の分担はまずはそこからなのです。
気をつけたい! イクメンが陥りがちな罠
その4:妻より家事が上手くなってはいけない
イクメンがどんなにがんばっても、家事や育児のプロになるわけではありません。妻よりも家事が上手になる必要はありません。
よく、自分が気に入った家事については時間をかけて徹底的にこなすパパがいますが、ママからすれば時間のかけすぎでむしろ低評価になったりします。
それに、今までまったくしていなかった家事で、あなたのほうが短期間でスキルが上になったら妻に嫉妬されてしまいます(まず無理ですが)。
妻よりも上手くなることより、もっと「広く、うすく」いろんな家事を手伝うことを考えてみましょう。そのほうが家事の分担として大事なことです。
その5:「母」であるが「恋人」でもあることを忘れるな
今まであなたの恋人であった妻が、子どもが育つとともに「母親」になっていく姿はとても感動的です。
しかし、あなたの「恋人」としての妻を消してしまわないようにしてください。子どもの前では「おかあさん」と呼ぶことが増えますが、二人きりの瞬間には、互いに大切なパートナーであることを忘れないようにしましょう。
時々でいいので、「母」としてではなく「恋人」としてプレゼントできるといですね。
その6:子と遊ぶのはイクメンではない
イクメンというのは子どもの遊び相手になることだ、と思ったら大間違いです。それは育児に関わる楽しいところだけ取っているようなものです。
むしろ、イクメンは自分が家事を担当して、妻がゆっくり子どもと遊ぶ時間を作ってあげるべきです。子どもの遊び相手をしながら、ママが夕ご飯を作っているのを待つのではなく、自分が夕ご飯作りをして、ママは休憩しながら子どもと遊ぶのです。
子育て中は家事は減るどころか増えます。育児よりも家事でどう関われるかが、イクメンの真骨頂だと思います。深夜に洗濯物を回して干す、というような地味な作業こそイクメン男子が手伝うといいでしょう。
押さえておきたい、仕事との両立法
その7: 家事育児できないならもっと稼げ
もしもあなたが「仕事が大変すぎて家事や育児に参加できない」というのなら、仕事に100%集中して、妻に家事育児のほとんどをお願いする選択もありえます。
しかし、その場合は人よりも稼ぐこと、それこそ2人分を1人で稼ぐことの覚悟を持って仕事に臨みましょう。
マネープラン的には男性だけが働いて女性は専業主婦というケースでは男性の年収が1000万円でも生活は楽にならないと思います(こういう家庭ほど子どもを小学校から私立へ通わせるなど、生活コストも割高であることが多い)。
仕事に集中したら年収2000万円以上を目指せるというならともかく、普通はイクメンしつつ仕事もしたほうがいいと思いますよ。
その8: 夜の予定は事前申告せよ
仕事が大変だったり、夜のおつきあいがあって、帰宅が遅くなることは誰でもあることです。
しかし、一週間くらいの「夜の予定」は予め明らかにしておくべきです。子どもを保育園からお迎えして食事を作ってお風呂にいれ、寝付かせさせるまではジェットコースターのような数時間です。
「手伝ってもらえる」と思っていたものがメールひとつでいきなり「手伝えない」になるショックは絶大です。
基本的にはその日にいきなり「今日はダメ」と言わないほうがいいでしょう。
ママの夜の予定が変更されてパパがいきなりバトンタッチすることはないのに、パパだけいきなり予定変更がOKなんて、そもそもおかしいと考えてみましょう。
その9: 時々、妻にひとりの時間を与えよ
仕事の合間にちょっと育児参加をして、イクメンを気取っているのならそんなものはイクメンではありません。
完全に子どもと自分だけの時間を作って、妻にときどき休息の時間を与えてみましょう。デパートで好きに買い物をする時間や喫茶店でひとりでぼーっとする時間をプレゼントするのです。
すべて自分が子どもの面倒をみる時間を作ってみると、たった数時間でもその大変さに気がつきます。特に乳児の時期にそうした時間をセッティングしてあげてください。ときどき、ほんの数時間でも妻のリラックスになることでしょう。
その10: 子育ては面倒と思わず「楽しめ」
子育てって、大変なことが多いのは間違いありません。しかし、子育てを「面倒ごと」と思っている限り、子育ては苦労や大変なことになってしまいます。
子育てを楽しむ意識は常に持ち続けてみてください。日々変化し成長し続ける存在がすぐ近くにあり、親の助けや愛情を必要としていることを素直に楽しむことができればイクメンは苦労から楽しいことになるはずです。