大阪市東住吉区の小6焼死事件で、大阪高裁が再審開始を決定した青木恵子さん(51)と内縁の夫だった朴龍晧さん(49)について、同高裁(中谷雄二郎裁判長)は26日、刑の執行停止を不服として検察側が申し立てていた異議を棄却する決定をした。2人は同日午後、逮捕から20年ぶりに身柄拘束を解かれ、和歌山と大分の刑務所から釈放される見通しとなった。
中谷裁判長は決定で「再審の裁判で無罪判決が言い渡される蓋然(がいぜん)性が高まった。刑の執行停止をしないことが正義に反するとの判断も首肯できる」と理由を述べた。
弁護団の斎藤ともよ弁護士は記者会見で「迅速で適正な決定だ。ようやく再審開始の道が開かれ、本当に心から喜んでいる」と語った。
2人は1995年、保険金目的で自宅に放火して青木さんの長女で小学6年のめぐみさん=当時(11)=を殺害したとして、殺人罪などで逮捕、起訴され、2006年に無期懲役が確定した。
再審請求を受けた大阪地裁は12年、再審開始を認める決定をした。大阪高裁の米山正明裁判長は23日、「自然発火の可能性が否定できない」と述べ、地裁決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却。26日午後2時に刑の執行を停止するとしていた。