とっても自由な発想が魅力的。
Instagramやチームラボといった大きな企業による展示に注目してしまいがちな東京デザインウィークですが、学生による展示も決して引けをとりません。身近にあるものを活用するアイディアには、ハッとさせられました。
こちらは早稲田大学、渡辺仁史研究室の学生による畳を使った作品。一見普通の畳のようにも見えますが実は特殊な仕掛けが...。
通常畳と言えば長方形ですが、この畳は大小の三角形の組み合わせでできていて、関節部分を動かせばイスやテーブルに早変わり。
三角形のパーツは簡単に動かすことができるので、使い方に合わせて空間を作ることができるそうです。ひとつひとつパーツは1畳弱のサイズなので、畳部屋のないアパートなんかにはピッタリでしょうか? ちなみにこちらの作品、見た目の渋さに反して、圧力センサーがついており人の動きに合わせてなんとも奇妙な音が鳴るようになっています。
和を感じさせる作品は他にもありました。こちらは日本大学理工学部、親水工学研究室による展示。この赤い部分の形、どこか見覚えがありませんか?
実はこれ「組木細工」をモチーフにしているんです。しかも形だけでなく、仕組みもそのまま応用しているので移動の際には解体してコンパクトにまとめることができるそう。
こちらが中の様子。障子の枠組みや学生さんの着物姿にもこだわりが感じられ、とても完成度の高い作品でした。
子どもが楽しめる展示も充実していました。
こちらは全国各地の建築学生からなる建築学生サークル♭(フラット)による作品。カラフルなブロックを動かしながら遊んでいる子どもたちはとっても楽しそう!
もともとは色ごとにブロックが整列してあったそうですが私が行ったときには既にとってもカラフルな状態に...。どれくらい子供が遊んだのか色の混ざり具合で分かるようになっているそうです。ふむふむ、なるほど。
こちらも子どもたちに大人気な展示。洞窟のような空間の壁は特殊な塗料で塗装されていて黒板のようにチョークで絵を描くことができます。
身長によって描ける場所が限られてくるため、壁の上側に向かうほど絵のクオリティが上がっていたのが面白かったです。
ものすごい輝きを放っていた千葉工業大学の展示。高層ビルに空が支配された東京でも、鏡を利用することで地面に空が広がります。
ひょっとすると東洋大学の展示が一番綺麗だったかもしれません。シダレザクラのような作品の中にはそれぞれ名前が刻まれています。
たくさん言葉がある中でも人の名前ってかならずポジティブな意味なんですよね。そんな言葉でうめつくされた作品はとっても綺麗でした。本当にたくさんの名前があるので残念ながら自分の名前を見つけることができませんでした...。
たくさん集めるという点では、多摩美術大学も負けていませんでした。これ何でできているか分かりますか?
そう、ハンガーでできているんです。4,500本ものハンガーで構成されたこの作品、少し力をかけただけで全体がうねり、まるで生き物のようでした。
最後に紹介をしておきたいのが京都芸術デザイン専門学校の展示、「VONE」です。目に見えないものを可視化しようと試みる作品はたくさんありますが、こちらはそれらの中でも抜きん出ていると感じました。天井から吊るされたパイプはまるで脳ミソのよう。一体これは何を可視化しようとしているのでしょうか?
答えはSNSです。実はこのパイプ全てが連結しており1人が話すと全ての穴からその声が聴こえるようになっているんです。発した言葉が顔の見えない人たちに届いていくさまは本当にSNSのようで感心した反面、考えさせられる作品でした。
いかがでしたでしょうか? 紹介した展示のほかにも学生によるすばらしい作品はたくさんあります。気になった作品があった方、東京デザインウィークはまだまだ開催しています。
東京デザインウィーク2015
【前期】10月24日(土)〜10月28日(水)
【後期】10月30日(金)〜11月3日(火・祝)
【時間】11:00〜21:00(最終日は20:00まで)
【会場】明治神宮外苑絵画館前
【入場料】3,000円(当日券)
source: TOKYO DESIGN WEEK
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