「フル・コンタクト」D・フェルベーク監督、ドローン戦のPTSDに苦しむ兵士描く理由を語る | ニコニコニュース

ダビッド・フェルベーク監督と主演のグレゴワール・コラン
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第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「フル・コンタクト」が10月27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、ダビッド・フェルベーク監督、主演のグレゴワール・コランが会見した。

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兵士が砂漠にある小屋の中でドローンを操作し、標的を爆撃する。遠隔殺りくのトラウマが蓄積した男がたどる精神の旅を、迫力の映像と想像力に満ちた展開で描き、現代戦争における心と肉体の関係に迫る。

フェルベーク監督は、ドローン爆撃を行いPTSDで精神を病んだ兵士の物語を描いた理由を「これまでの兵士は実際に戦場に行ってつらい思いをしてきた。しかしこの作品の兵士は一度も戦場に行っていません。戦場の経験がないのにもかかわらず、精神を病んだ人間の意識下で何が起きたのかを描きたかった」と話す。そして、「この映画で描きたかったのは現実とは何かということ。遠隔操作で行われる戦争を批判する映画ではないが、人間が何を現実として認識するかなのです」と強調した。

最も演出に苦労したのは、ラストの決闘シーンだそうで「追う者と追われるものが相対して戦うシーンで、残酷で、かつ的確な感情のインパクトを与えられるシーンにしたかった。参考になるものもなかったので、試行錯誤しながら撮影しました」と明かした。

一人で3つのキャラクターを演じたコランは、実際にドローンでの戦争を経験した兵士のインタビュー映像を見たそうで、「苦しみを心にたたえている目の表情を参考にしました。オーケストラの演奏のトーンを決定するように、彼の映像が役作りの上で役に立ちました」といい、「順番通りの撮影ではないので、切り替えるのに苦労しました。普通は一人のキャラクターが変化していくものですが、今回は3人演じ分けなければいけない。通常の役作りとは違って、演じ方も変えなければいけなかった。大変苦労しました」と振り返った。

東京国際映画祭は10月31日まで開催。