中国メディア・温州網は26日、浙江省温州市にある化学工業倉庫で火災が発生し、付近の川では死んだ大量の魚が水面に浮かぶなどの被害が出たと報じた。
記事は、同市蒼南県にある化学工業倉庫で今月11日に火災が発生し、約200平方メートルが焼けたと紹介。倉庫には酢酸エチルやアルコールなどが保管されていたとした。
そのうえで、火災発生から数日後に倉庫周辺を流れる川の水が黒くなって異臭がしだしたうえ、魚が大量死したと付近の住民が語ったことを伝えた。また、近隣の鴨飼育業者が「飼っていた400羽あまりの鴨の多くが死んだ」と話し、ほかの住民からも「付近には多くの水田やイチゴ畑、ミカン畑がある。影響が心配だ」との声が出ていることを紹介した。
一方、現地の環境保護当局などが火災発生後、川に流れ込んだ汚染物質が下流に拡散するのを防ぐため、現場付近の流域を約100メートルに渡って囲う措置を取ったとし、「5日後には現場周辺のトルエン濃度が下がったため囲いを撤去した。現在はすでに飲用水の基準を満たしている」という現地行政関係者の話を伝えた。
さらに、汚染が拡散しなかったにもかかわらず川が変色して魚などが死んだ理由についてこの関係者が「囲いの中の水が淀んで富栄養化し、囲いを外したことでその水が流れた。さらに、工業用アルコールが流れたことで自浄能力が落ちた」と説明、現在はすでに水質が回復していると強調したことを併せて伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)