今はまだ実験段階、完成予定は5年後です。
まるで夢の国のアトラクションから切り取ったような光景ですが、ここはニューヨーク、マンハッタンストリートにある古い倉庫の地下空間。
ロウライン(Lowline)とよばれるこの場所は、世界初の地下公園です。2020年にオープン予定とはいえ、もうすでにその一部はプロトタイプとして立派なジャングルが根を下ろしつつあるようです。
そんな世界的大都市の地下にジャングルなんていうウソみたいな本当の話を形ある物にしているのは、クリエイターのJames Ramsey氏とDan Barasch氏をはじめとするチーム。
まだソフトボールサイズのパイナップルを指差しながら、「あえて育てづらい植物にチャレンジしている」と米ギズ記者に語ったのはBarasch氏。自分たちでも本当に信じられない結果をこれまで目にしてきたといいます。
地下空間を明るく照らすのは1本の電球…ではありません。世界中のあらゆる地域から集められた40種以上、1,800以上ものカラフルな草、木、花が、太陽の光で育っています。では、一体どうやって日光を地下に取り込むのでしょうか?
ポイントは、地上に設置された集光器と光学レンズ、そして地下空間の天井タイルなどの表面反射装置。以前ギズでも紹介された最新システムを活用しながら、どんな暗闇でも太陽の光が差し込むインフラがセットアップされたようです。
これはいわゆる、人工的な"地球っぽい"もの。現在のところ5,000スクエア(約140坪)ほど照らせるというその技術は、将来的にはその10倍の効果が見込まれているのだそう。
写真だけ見ていると忘れてしまいそうですが、ここはあくまで都会の地下。ロウラインには、都会で生きるニューヨーカーたちが、どんな季節でも逃避できる場所というテーマがあるのだそう。
そんな都会のオアシスという言葉がぴったり当てはまる近未来空間は、来年3月までの毎週末、無料で一般公開されるとのこと。もし、ちょうどニューヨークに行く予定がある…なんていうとってもラッキーな方がいれば、セッションなどの公開イベントも開催されるようなので是非立ち寄ってみるべし。
身近な場所に是非とも1つ欲しい、都会のジャングル。たとえば太陽光が差し込む地下鉄に、みずみずしい草花が植え込まれたプラットホームとか…日本国内のどんなインドアスペースにロウラインのようなイノベーションが適用できるでしょうか?
source: Lowline Lab
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)