小学校いじめ最多12万件=再調査で積極認知―低年齢中心に増加・文科省 | ニコニコニュース

 文部科学省は27日、2014年度の問題行動調査のうち、やり直していたいじめ認知件数の集計結果を公表した。全国の小、中、高校などで把握したいじめは計18万8057件。小学校は初めて12万件を超え、過去最多だった。再調査で約3万件増え、同省は「積極的に対応しようという意識変化が進んだ」と分析している。

 調査では、前年度の件数を6月末までに計上する。岩手県矢巾町で7月、中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したのに、同町がいじめをゼロと報告していたため、同省は提出分が実態を反映していないと判断。13年度に都道府県間の認知状況に大きな差が出たことも踏まえ、軽微な事案や短期間で解決した例も報告するよう念を押して、再調査を求めていた。

 13年度より件数が増えたのは34府県。岩手で6月提出分と比べ2.1倍になるなど、再調査で掘り起こしが進んだ県も多かった。自治体間の格差は縮小はしたが依然大きく、子供1000人当たりの比率では、最大30.5倍の開きがあった。

 いじめを認知した学校数は、全体の56.5%の2万1641校。いじめを把握するための取り組みも普及し、アンケートは98.8%、個別面談も87.7%の学校で実施していた。

 小学校のいじめは13年度に比べ約4000件増の12万2721件。低学年ほど増える傾向があった。初期対応や情報共有の重要性が浸透し、いじめにつながるような事案も計上したという。中学は約2300件減の5万2969件、高校は1万1404件で微増だった。

 パソコンや携帯電話によるいじめは890件減の7898件。同省は「ネット掲示板など第三者でも見られるものから、無料通話アプリなど外から見えない形に移った可能性もある」とした。

 いじめ防止対策推進法への対応は、都道府県の基本方針と連絡協議会は奈良県以外全てで策定、設置が完了。各学校の方針と組織もほぼ対応済みで、同省は残る数十校についても支援を進め、今年度中に100%にするとした。