東京ディズニーリゾート「ショー抽選アプリ」導入3つの狙い パークの未来を徹底予測 | ニコニコニュース

ワンス・アポン・ア・タイム ©Disney
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2015年10月26日、東京ディズニーリゾートは、人気エンターテイメントの鑑賞席の抽選がスマートフォンでできる「ショー抽選アプリ」を発表しました。

【写真】例年、抽選所が混雑するTDSの大人気ショー「ビッグバンドビート~クリスマス・スペシャル~」も、ショー抽選アプリならラクラク!?

詳しい情報や、アプリの使い方は、東京ディズニーリゾート公式ウェブサイト「ショー抽選アプリ」で紹介されています。

このアプリは無料で提供される予定です。配信開始は2015年11月2日から、と告知されました。

今回はショー抽選アプリについて、導入の狙いや、東京ディズニーリゾートの未来がどう変わるのかについて、考えていきたいと思います。

ショー抽選アプリの仕組み

東京ディズニーリゾートでは、一部のショーで座席の抽選制が導入されています。

2015年10月時点で導入されているのは、以下のショーです。

ワンス・アポン・ア・タイム(東京ディズニーランド)ワンマンズ・ドリームⅡ-ザ・マジック・リブズ・オン(東京ディズニーランド)ビッグバンドビート(東京ディズニーシー)

これはより多くのゲストに、均等にショーの座席を提供するために行われています。

東京ディズニーリゾートのショーの抽選は、1つのショーにつき、1日1グループで「1回のみ」となっています。

現在、ショーの抽選はパーク内にある抽選所で行っています。

しかし、ショー抽選アプリがあれば、わざわざ抽選所まで行かなくても、いつでも・どこでも抽選できるようになるのです。

アプリの使い方は簡単です。抽選するショー・公演時間を選び、グループ全員のパークチケットのQRコードを読み取るだけ。

あとは運に任せると、当選か落選かがすぐに分かる仕組みになっています。

ショー抽選アプリで当たった場合は、座席指定券(当選券)ではなく、パークチケットを入り口のキャストさんに見せます。

キャストさんにコードを読み取ってもらい、当選の確認ができれば入場できる仕組みです。

アプリを使えば、自分がどのショーの、どの公演に当選したのかを、すぐに調べることもできます。

何がどう変わるの?

いつでも・どこでも抽選できる、画期的システム

ショー抽選アプリの一番のメリットは、何といっても「いつでも・どこでも抽選できる」という点でしょう。

これまでは抽選所に長時間並んで、やっと抽選しても外れてしまう…ということがよくありました。

ショー抽選アプリを使えば、わざわざ抽選所に並ばなくても、パレードを待っているときや、食事をしているときなどに、簡単に抽選することができますね。

ただし、注意も必要です。現在、抽選所では、各公演の開演30分前まで抽選することができます。

しかし、ショー抽選アプリでは、開演60分前までで抽選の受け付けが終了してしまいます。

また、ショー抽選アプリは東京ディズニーリゾートの敷地内でしか使うことはできません。

その日の入園履歴のあるチケット、そしてGPSによる位置情報で認識されないと、抽選することはできないのです。

加えて、「座席指定券(当選券)」は、抽選所で当選したゲストにのみ発券されます。

ショー抽選アプリで当選したからといって、座席指定券を発券してもらうことはできません。

どうして「ショー抽選アプリ」を導入するの?

「ショー抽選アプリ」導入 3つの狙い

今回、東京ディズニーリゾートから発表された「ショー抽選アプリ」。このアプリの導入には、以下の3つのねらいが考えられます。

抽選所の混雑緩和座席指定券の発券コスト削減将来的な「パーク内専用アプリ」の導入テスト

抽選所の混雑緩和

近年、夏になると、人気エンターテイメントの抽選のため、炎天下の中、抽選所に多くのゲストが長い列を作っていました。

これではショーの抽選をするだけで、熱中症になってしまう危険性もありました。

ショー抽選アプリの利用が進めば、そのぶんだけ、抽選所に並ぶゲストの数は少なくなります。

抽選所の混雑緩和が期待できるだけでなく、抽選所の縮小・移転や人員削減も可能になるでしょう。

座席指定券の発券コスト削減

これまで、ショーの抽選で当選したゲストには、紙の「座席指定券」が発券されていました。

しかし、毎日の公演で印刷する座席指定券は、かなりの枚数になっていると思われます。

スマートフォンによる抽選が進めば、紙や印刷のコスト、印刷機のメンテナンス費用も抑えられると考えられます。

将来的な「パーク内専用アプリ」の導入テスト

ショー抽選アプリは、東京ディズニーリゾートのショーの抽選ができるという、なんとも使い道が狭いアプリです。

しかし、もしこのアプリの利用が進んで、ショーの抽選がスマートフォンに置き換わっていけば、もしかするとパークチケットやファストパス、レストランのプライオリティ・シーティングなども、一つのアプリで管理することができるようになるかもしれません。

ただ、これについては、あくまでも「予想」です。東京ディズニーリゾートから公式な発表は、一切ありません。

東京ディズニーリゾートの未来はどうなるの?

「ショー抽選アプリ」は、TDRの未来を大きく変える可能性

ショー抽選アプリについては、東京ディズニーリゾートの未来を大きく変えるのではないか、と思っています。

ただ問題は、アプリがどれだけ普及するかでしょう。

年間パスポートを持っていて、1年間に何度も東京ディズニーリゾートを訪れる人の場合、スマートフォンにアプリを入れておけば、抽選する手間は省けます。

しかし、たまにしか行かない人にとっては、1日に数回しか使えないアプリを、わざわざインストールするのか? という疑問が浮かびます。

また、GPSによる位置情報確認や、カメラでパークチケットのQRコードを読み取らなくてはいけないなど、ちょっと手間もかかります。

今後、東京ディズニーリゾートから、どれだけゲストに情報提供されるのか、見ていく必要がありますね。

もし、アプリが多くのゲストに普及していけば、アメリカ・フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドで導入されているスマートフォンアプリ「マイ・ディズニー・エクスペリエンス」のように、パーク内専用アプリが導入されるかもしれません。

「マイ・ディズニー・エクスペリエンス」は、アトラクションの待ち時間調べ、レストランの予約、さらにはファストパスの予約まで可能になっています。

もしかすると、東京では、画面にパークチケットのQRコードを表示して、それを使って入園できるようになるかもしれません。

東京ディズニーリゾートの未来を変えるかもしれない「ショー抽選アプリ」。ぜひ一度、使ってみる価値はあると思います。