快適なのはどっちかっていうと、断然…。
iMacの周辺機器が一気にリニューアルし、Magic Keyboard、Magic Mouse 2と併せてMagic Trackpad 2が発表されました。米GizmodoのMichael Hession記者が実際使って第一印象をまとめています。
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マウスとは、アップルが描く何でもタッチな未来像の中では余計者です。未来のユートピアにおいては、10本の指(とPencil?)だけが、デジタルインターフェースの操作方法です。新Magic Trackpad 2は、そんな未来をデスクトップユーザーにフル体験させようとしています。僕はそこに魅力を感じはしたんですが、結局全体的には、やっぱりマウスの方がいいと思うに至りました。
新しくなったキーボードと同様、新トラックパッドは本当に触ってみたくなる外観です。きわめて魅惑的な白い直方体で、アルミ製の先代よりも見目麗しくなりました。アップル製品の中でももっともミニマルなデザインだと思います。シンプルなウェッジ形で、表面はまっさらでムダな装飾がありません。サイズは大きくなりましたが、トラックパッドとしてはその方が使いやすいです。もう、機能とか130ドル(日本向け1万4800円)の値段とかどうでもいいから、とにかく机に置きたい! そう思ってました。
機能面では、Force Touchの搭載が大きいです。通常より少し強く押すと深くクリックでき、OS X El Capitanのショートカットがいくつか使えます。Exposeをドックからアクティベートしたり、Finderでファイルをプレビューしたりといったことです。ただ残念ながら、Force Touchで使えるショートカットがそんなに多くないので、そこまで便利ではありませんし、どういう技があるか覚えるのも面倒です。それでも、クールな機能を使いたいときに使えるのは良いことです。
ディテールにも良いところがあります。たとえば、トラックパッドのどの部分をクリックしても同じ力でできます。先代はトラックパッドの上の方がクリックできなくて嫌だったんですが、新トラックパッドはそうではありません。
またクリックの強さ調整や、音をミュートすることもできます。そのエフェクトを確かめるために、何回もサイレントをオン・オフしたくなります。
さらにバッテリーはライトニングコネクターで充電できます。これから作業しようってときに電池を探すときの焦燥感、あれが好きな人はいないはずです。
他には、以前と同様のマルチタッチジェスチャーがみんな使えます。それだけでもたくさんあります。タップでクリック、2本指タップ、3本指スワイプ、5本指ピンチ、端からスワイプ、などなど。
覚えることがたくさんありますが、いったん飲み込めば、コンピューターの操作がまるで壮大なシンフォニーの指揮のように感じられます。もちろん、良い意味です。
でもマジックというのは、消えるものです。それも、あっという間に。
まず、これほど柔軟なトラックパッドでも手首が疲れます。正直僕としては、マルチタッチの便利さがマウスの快適さ以上の魅力にはなりませんでした。ほんの1cmほどであってもつねに指を持ち上げている必要があり、毎度毎度ではかなり負担です。クリックしてドラッグの操作が多いときは、特に顕著に感じられます。ラップトップでの操作もそうですが、クリックしてドラッグをトラックパッドでするのは地獄です。
物珍しさが消えていくと、手の運動をしたせいで、今までマウスでは一度も感じたことのないような痛みがやってきました。もしかしたら僕の手が子ども並みに弱いというだけかもしれませんが、5分おきに手首のストレッチが必要になるのはうれしくありません。
マウスなら、使っていないときでももっと自然です。ほとんどの動きは、親指と薬指の微妙な力加減で可能です。感触も良いし、画面上でのカーソル移動もより早く正確にできます。
Magic Trackpad 2は魅力的で、本当に食指を動かされました。アップルの未来に取り込まれるべく、自分なりに努力もしました。でも結局、80年代にアップルが普及させたマウスというデバイスは、今でもベストな道具だという結論に至ったのです。
Michael Hession-Gizmodo US[原文]
(miho)