中国メディアの捜狐は19日、日本を訪れたことのある外国人旅行客ならば、街中で大量の電線が頭上に存在することに気づいたはずだと指摘し、日本が先進国であるにもかかわらず、今なお人びとの頭上に電線が張り巡らされている理由を考察した。
記事は、日本では街中であろうと郊外であろうと、ひいては地方の農村部であろうと「どこででも黒々とした電線が引いてある」と伝え、先進国である日本において電線が今なお人びとの頭上にあることに驚きを示した。
続けて、現在は地下に電気ケーブルを埋める「電線類地中化」を行っている国も少なくないと指摘し、なぜ日本は地中化を推進しないのかと疑問を投げかけつつ、「地中に埋めるよりも地上のほうがコストが安いからではないか」と推測した。
また記事は、無電柱化や電気ケーブルの地中化は、街の景観が良くなるうえ、雪など天気の影響を受けないため安全性や耐久性も向上するとして、日本でも一部で無電柱化や電線類地中化を推進する動きがあると紹介。だが、今でも日本で人びとの頭上に電線が張り巡らされているのは電力会社が反対しているためではないかと指摘し、「電気ケーブルを地中に埋めると、災害発生時に断線箇所が分からず、復旧に時間がかかるためではないか」と伝えた。
国土交通省によれば、無電柱化率は東京23区で約7%、大阪市で約5%にとどまる一方、ロンドンやパリはすでに無電柱化率100%を達成している。電気ケーブルを地中に埋めることで街の景観は確かに美しくなるであろうが、その一方で電気ケーブルを地中に埋めるための整備コストは電柱によるコストに比べて非常に高額であるのがネックとなり、「電線類地中化」はあまり進んでいないのが現状だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)