継続的デリバリモデルにおける文化的シフトの重要性

テクノロジリーダたちはビジネスイノベーションを加速するために,継続的デリバリとアジャイルに向かっている。

CIO.comのシニアライタであるClint Boulton氏は先頃,“Agile, continuous delivery models represent ‘cultural shift for IT’”と題した分析記事を発表した。その中で氏は,CIOの多くがアジャイル開発とDevOpsモデルを採用して,ビジネスとより密接な関係の下で新たなソフトウェア開発を行おうとしている,と述べている。

Boulton氏は,Cisco Systems上級副社長のRebecca Jacoby氏がCIO 100 Symposiumのパネルで述べた,継続的デリバリに関する次のような考えを紹介している。

これはITにとって,文化的シフト以上のものだと思います。私たちがこれまで経験したことに比べて,指数関数的なスピードでの変化が求められているのです。

Zend TechnologiesのCEOであるAndi Gutmans氏は,Eブック“Changing Culture and Building Confidence”の中で,高品質のソフトウェアアプリケーションを新規開発して市場により早く提供する能力こそが,業界のリーダを定義する“Xファクタ”である,と述べている。これらのリーダには,すべてが共通して持っているものがひとつある。そのIT部門が従来型のアプローチを捨てて,新しく,アジャイルで,コラボレーティブなアプローチをアプリケーションの設計や開発,デリバリに採用していることだ。

このEブックでは,継続的デリバリを包含する文化の再構築という,困難なプロセスへのガイダンスが提供されている。継続的デリバリのコンサルタントとして,Tommy Tynjä氏は,自身のエッセイで次のように主張する。

組織に変革を持ち込むのは簡単です。難しいのは,それを定着させることなのです。

Avnetでアジャイルを実践しているCIOのSteve Philips氏によれば,ITソリューションプロバイダでは今,ITグループとビジネスグループを同じ場所に配置して,別々だったグループをひとつにする取り組みが始まっているという。場所を同じくすることで,ITとビジネスという異分野のスタッフに連携と信頼が生まれるのだ,と氏は述べている。

文化的な変革を推進するには,継続的デリバリを確実に支援できるプラクティスの実行も必要だ。

ThoughtWorksのソフトウェア品質エバンジェリストであるAnand Bagmar氏は最新のブログ記事で,組織の最も重要な目的は製品ないしサービスを通じて提供する価値にある,と述べている。これを達成するためには,自分たちの成果を可能な限り早く提供する必要がある。もちろん高い品質で!

組織や企業が継続的デリバリを実現するために必要なプラクティスにはさまざまなものがある,と氏はいう。(自動)テストは,継続的デリバリが成功する上で適切に設定されるべき重要なプラクティスのひとつである。継続的デリバリに向かう上で,テストは扱いが難しく,多くの規律や厳格さ,ハードワークを必要とするものだ。企業におけるテストの複雑さと困難さは,指数関数的に増加している。

このように急速な環境の変化において,CI(継続的インテグレーション)とCD(継続的デリバリ)は今や必然です。決して贅沢ではありません!