人類の歴史は、病気との終わりなき戦いの歴史でもあった。文明が誕生し、科学技術が発展するに従って克服した病気もあれば、生活習慣病など、私たちを新たに苦しめる病気も出現している。
人類が特に熾烈な攻防戦を繰り広げてきたのは、ウイルスや細菌など目に見えない病原体が引き起こす「感染症」だ。感染した生物から栄養を得て増殖する「細菌」、そして感染した細胞を利用して増殖する「ウイルス」は、国境を超えて多くの人間を死に追いやってきた。さらに病原体自体も進化を続けているため、彼らと私たちの戦いは今後も決して終結することはないだろう。
敵に勝つためには、ます敵のことを知らなければならない――というわけで今回は、発症した時にはもう手遅れ、24時間以内に死に至ることもあるという、人類がもっとも警戒すべき"最凶の感染症"を5つ紹介しよう。
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・ 腺ペスト
ペスト菌に感染したネズミから血を吸ったノミが媒介する。発症するとリンパ節が腫れ上がり、やがて心臓が衰弱、意識も失って死亡する。死亡率は50~70%だが、抗生物質による治療で20%程度まで下がる。
・ コレラ
コレラ菌を原因とする感染症。主な感染源は、患者の糞便や吐瀉物に汚染された水と食物。潜伏期間が数時間の場合もあり、発症すると低体温・脱水症状・痙攣・頻脈などを引き起こして死亡する。適切な対処が行われなかった場合、死亡率は75~80%にのぼる。特効薬は存在しない。
・ エボラ出血熱
西アフリカを中心に猛威をふるうウイルス感染症。患者の血液や唾液、排泄物などの飛沫が感染源となり、進行すると全身から出血して死亡する。死亡率は50~90%ともいわれる。ワクチンや特効薬はない。
・ 壊死性筋膜炎
「ビブリオ・バルニフィカス」(別名:人食いバクテリア)という細菌への感染が原因。生魚などから感染する。発症し、菌が筋膜に感染すると猛烈なスピードで体の壊死が進行する。患者は高熱や精神錯乱を併発し、死に至らずとも後遺症が現れるケースも多い。
・ 原発性アメーバ性髄膜脳炎
「フォーラーネグレリア」(別名:殺人アメーバ)への感染が原因。感染力は強くないが、免疫力が弱っている場合、深刻な髄膜炎が急速に進行し脳が溶けて死亡する。有効な治療法は存在しない。日本でも2例が報告されており、ともに患者は死亡している。
このように恐ろしいウイルスや細菌に侵されたあなたには、家族に別れの言葉を告げる時間さえ残されていないかもしれない。感染症との戦いは人類の宿命とも言えるが、世界における経済格差など、私たちの活動が解決を遠ざけている側面があることも見逃せない。感染症との戦いに勝利するためには、各国が手を取り合い協力することが重要なのだ。
※画像は「Wikipedia」より引用