勤務中に席を立ち、喫煙所に向かう。ぷふぁーと一服し、リラックスしてちょっと息抜き。分煙化が進んだことで喫煙所を設けた職場は多いが、この「席を外して」のたばこ休憩に不平等を感じている非喫煙者も多いという。
11月11日の「ミヤネ屋」(読売テレビ系)が大阪・京橋で「勤務中のタバコ休憩はアリか?ナシか?」と街頭インタビューしたところ、「アリ。サラリーマンには息抜きが必要」と答える非喫煙者の声があがっていた。(文:みゆくらけん)
ユニ・チャームやリコーは移動中でも「絶対ダメ」しかし、やはり吸わない人からは「ナシ」という声が多く、その理由として「吸わない人に迷惑」「不公平が生じる。タバコは嗜好品だから、職場に持ち込むのはよくない」という理由があがっていた。
ある市民団体が調査した結果、全国の公務員が取るタバコ休憩を給料に換算したところ、なんと年間920億円分もの額にのぼったという。これはあくまでザックリとした目安の数字ではあるが、普段から不平等を感じている喫煙所に行く理由のない非喫煙者にとっては、不快な数字であることは間違いない。
大阪市では橋下市長就任後、「現場に緊張感が足りない!」という理由から、勤務時間内の喫煙を全面禁止し、タバコを持ち歩くことも禁止している。違反者には停職処分まで下すという厳しさだ。
民間企業でも勤務中の喫煙を禁止している企業もあり、衛生用品のユニ・チャームや事務・光学機器のリコーでは、会社の敷地内や外出先、移動中など、勤務場所にかかわらず勤務時間内全面禁煙化という徹底ぶりだ。全面禁煙は「健康増進」「受動喫煙防止」という名目だが、企業イメージもあるのだろう。
「そんなに肺がんなんかなってませんよ」と梅沢これを受け、コメンテーターの梅沢富美男(喫煙者)は「これはひどい!健康健康って言うけど、タバコ吸う人ってそんなに肺がんなんかなってませんよ!」と憤慨した。しかしその直後、橋本五郎氏(非喫煙者・読売新聞特別編集委員)がこうピシャリ。
「梅沢さんね、自分はそうもしれないけど、まわりの人に迷惑かけてるってこともあるんですよ」
非喫煙者だが、タバコ休憩を「程度問題。仕事さえちゃんとやってもらえればいい」と考える橋本氏にそうツッコまれ、思わず「うん、うん」と素直に認めていた梅沢がなんとも可愛らしい。
ある街頭調査では、タバコ休憩が「アリ」と答えたのは男性46.2%、女性41.6%だったという。「アリ」の理由として「多少のリフレッシュは必要だから」という声が目立っていたが、注目したいのは「情報交換の場でもあるから」という声だ。MCの宮根誠司も、読売テレビ内での喫煙所にまつわるこんなエピソードを話した。
杉本彩の事務所は1万円の「禁煙手当」「ミヤネ屋のスタッフでもね、タバコ止めたやつもわざわざ喫煙ルームに行くんですよ。何しに行くかって言うと、いろんな情報交換をしているらしい。普段話さない人と会う場所になってるらしいんですよ」
確かに「喫煙所が情報交換の場」というのは一理ある。喫煙所はある種特殊な空間だ。社会の風潮が「喫煙者=悪者」と感じさせていることもあり、あの狭い空間の中で一緒になる人とは、不思議な共犯意識めいたものが生まれ、打ちとけやすい雰囲気がある。「ココだけの話」がしやすいのは間違いなく、情報もリアルタイムで早い。
一方、非喫煙者の「さぁ今から会議!という時に、いつも誰かが喫煙所に行っていて、その人のタバコ待ち。アレはいただけない」という声を聞いた。なるほど納得、毎回毎回だとそれは迷惑であろう。
コメンテーターの本村健太郎弁護士(非喫煙者)は「タバコは個人の趣味嗜好の問題。私生活で喫煙するのは自由だが、職場で勤務中に喫煙する権利はない」と話す。
しかし、ここでも梅沢が憤慨。「でもこういう話って弁護士さんに聞いてもダメ。理屈と公約だから!」。コメンテーターの中で唯一の喫煙者、梅沢は健気だ。理屈をこねる本村弁護士に反発している姿には、思わず頑張れ!と応援したくなる。
ちなみに、タバコ嫌いな杉本彩のオフィスでは、給料以外に1万円の「禁煙手当」を出しているとか。それいいアイデア、「お金もらえるなら禁煙します!」って人、意外に多いかもしれない。
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