【ワシントン時事】米軍は23日、ハワイで5月に起きた海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの着陸失敗事故に関する調査が完了したと発表した。調査では、操縦士の判断ミスが事故につながったなどと結論付けた。
米太平洋海兵隊によると、調査は事故の主な要因として、「操縦士の技量」と不適切な着陸地点の選定を挙げた。
調査は、最初に着陸を試みた際、視界が予想よりはるかに悪かったことが判明しており、操縦士が危険を適切に評価していれば、異なる飛行経路と着陸地点を選んでいたはずだと強調。操縦士は飛行規則違反を犯したわけではないが、「事故につながった一連の事象を考慮に入れることを怠った」と指摘した。
事故に至る経緯に関してはまた、エンジンが巻き上がった砂ぼこりを吸い込んだことでタービン翼に「物質」が固着し、左エンジンの出力喪失につながったとの見方を示した。太平洋海兵隊は「物質」の正体を明らかにしていないが、砂に含まれていた特定の種類の鉱物がエンジンの燃焼室で溶けてタービン翼に固着したとみられる。
調査に当たった法務担当官はこうした結果を踏まえ、MV22のエンジンの空気ろ過装置の改善などを勧告した。