2015年11月23日,セガゲームスは神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにおいて,「ファンタシースターオンライン」(以下,PSO)シリーズの15周年記念コンサート「シンパシー2015」を開催した。シリーズの歴史を彩る名曲がオーケストラで演奏され,ライブパートでは「レアドロ☆KOI☆恋!」などの楽曲も賑やかに披露された「昼の部」の様子をお伝えしよう。
リンク:「PSO」シリーズ15周年記念コンサート「シンパシー2015」特設ページ
セットリスト(2015年11月23日 昼の部・敬称略)
【第二部】ライブパート
【第三部】オーケストラパート
出演者:
■15年の歴史を名曲と開発秘話で振り返る
第一部のオーケストラパートは,PSOシリーズ15年の歴史を振り返る構成で,演奏する「シンパシー・スペシャル・オーケストラ」の指揮を務めるのは天野正道氏。2004年からファンタシースターシリーズのオーケストラを指揮しているという縁の深い人物である。
演奏中,ステージ上のスクリーンにはプレイヤーから寄せられたプレイ動画が上映された。いわゆるPVではなく,実際のプレイ中の様子を録画したものなので,ボスに苦戦したり,ウインドウを開いてアイテムを選択したり,パーティの仲間同士でコミュニケーションを取ったり……と当時の空気が生々しく伝わってくるようだ。数々の楽曲とプレイ映像でゲームの思い出が蘇ってきたのか,会場に詰めかけたファンも静かに聞き入っていた。
トークコーナーでは,PSOシリーズのプロデューサーを務めていた中 裕司氏,同じくディレクターだった見吉隆夫氏(共に現所属はプロペ)が特別ゲストとして登場。PSOのサービス当時はデザイナー,現在は「PSO2」シリーズプロデューサーを務める酒井智史氏と,「PSO2」のサウンドディレクターである小林秀聡氏を交えて,さまざまな開発秘話が明かされた。
PSOシリーズでプレイヤーの周囲を浮遊するマグは,地面を歩くペットのドラゴンとして企画されていたという。PSOを開発したソニックチームの作品では,お馴染みの人工生命「A-life」をPSOにも登場させたいという意向で,ペットのドラゴンが進化していく内容を予定していたとのことだ。
PSOプレイヤーにとって,セクションIDは思い出深いトピックだろう。プレイヤーが付けた名前に基づき,キャラクターには10種類のセクションIDの中から1つが割り振られ,これによりドロップしやすいアイテムの傾向が決定されるというものである。
■ライブパートはボーカル曲で会場総立ち
第二部は雰囲気ががらりと変わり,ボーカル曲中心のライブパートだ。観客も立ち上がって,「レアドロ☆KOI☆恋!」「We're ARKS!」といった楽曲を全身で楽しんでいた。
会場に出現した巨大なダークファルスを一刀のもとに切り捨てるというパフォーマンスと共に登場した蒼井翔太さんは,新田恵海さんと共に舞台「ファンタシースターオンライン2 -ON STAGE-」の主題歌「Phantasista」を熱唱した。さらに新田さんが舞台版の挿入歌「Dreamcasting」,蒼井さんがアニメ「PHANTASY STAR ONLINE 2 THE ANIMATION」の主題歌である「絶世スターゲイト」を披露すると,会場のボルテージはヒートアップ。
第三部は再びオーケストラパートとなり,情感豊かな曲が次々に演奏された。さらに,パーティを解散するときのプレイ動画やボスの撃破シーンといった思い出深い映像の数々も上映され,感慨にふけるファンの姿が印象的だった。
最後にサプライズとして「永遠のencore」が披露されると,酒井氏が「これからも皆様に“永遠のencore(アンコール)”をしていただけるよう,精一杯ゲームを作っていきます」と締めの挨拶を行い,約3時間にわたるイベントを締めくくった。
PSOシリーズを愛するプレイヤーから寄せられたプレイ映像をフィーチャーしたことで,奏でられる楽曲がぐっと思い出深いものに感じられた今回のコンサート。その模様を収録したBlu-ray(2016年3月24日発売)とライブCD(2月25日発売)の発売が予定されている(関連記事)。残念ながら会場に足を運べなかった人も,この感動を再び味わいたい人も,チェックしてみてはいかがだろうか。
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