最低賃金「1000円目指す」=安倍首相指示、GDP600兆円で―諮問会議 | ニコニコニュース

 政府は24日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、名目GDP(国内総生産)600兆円の実現に向けた緊急対応策の取りまとめ作業に入った。同会議で、安倍首相は「最低賃金1000円を目指す」と述べ、経済の好循環には最低賃金の上昇が不可欠との認識を示した。

 2015年度の最低賃金は全国平均で前年度より18円増の798円。首相は「年率3%程度をめどに、GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要だ」と強調した。中小企業に対し、生産性向上や取引条件の改善といった支援策を講じる考えも示した。民間議員の榊原定征経団連会長からは「中小・零細事業者への配慮が必要だ」との意見が出された。

 甘利明経済財政担当相は諮問会議後の記者会見で、首相の発言を踏まえ、最低賃金引き上げを緊急対応策に盛り込む考えを明らかにした。対応策は、26日開催予定の「1億総活躍社会」実現のための国民会議に提出され、決定される見通し。

 会議では、消費喚起策や投資促進などを柱とする緊急対応策の原案が示された。具体的には、消費拡大に向け、企業に一段の賃上げを促すとともに、年金生活の低所得者を支援する。法人実効税率については「早期に20%台に引き下げる道筋を付ける」と明記した。

 一方、女性や高齢者の働く意欲を抑えているとされる税や社会保険料負担の「103万円の壁」「130万円の壁」に関し、対策を検討する方針も示した。