U-22日本代表のセンターバックとしてDFラインを統率する岩波拓也(ヴィッセル神戸)は“兄貴分”としての一面も持つ。
現在、来年1月のリオデジャネイロ・オリンピック アジア最終予選メンバーに残るために各々がアピールを続けているが、本来の力を発揮するためにもコミュニケーションは不可欠。岩波は「色々な選手とコミュニケーションが取れると気持ち的にすごく楽になる。自分の力を出す上で大事なことなので、そこは意識してやっています」と率先してコミュニケーションを図っているようだ。
今回はFW伊東純也(ヴァンフォーレ甲府)が唯一の初招集だが、「新しい選手にとって一番の不安はコミュニケーションだと思う。自分が初めて代表に招集された時、久しぶりに戻ってきた時に感じる気持ちと同じ」とこれまでも自身の経験を踏まえ、選手間のコミュニケーションを深めてきた。
チームワークを高める一方で、刺激も受けている。手倉森誠監督は先月の佐賀合宿に28名、今回は25名を招集。リオ行きの切符を手にするために、チーム内の競争を促した。「多くのメンバーが選ばれているので、競争したり意識し合いながらやれている。自分のチームで公式戦に出られていない選手の代表に対する想いはすごく強い。それに負けなくないという気持ちもあるし、自分は試合に出てきた自信もある。今はレベルが高い争いになっている」。指揮官が重用し続けるチームの大黒柱も、静かに闘志を燃やした。
26日には湘南ベルマーレと練習試合を行う。「湘南のボールを奪ってカウンターを狙う戦い方はアジアの相手も同じなので、そこはイメージしながらリスク管理をやっていきたい」と意気込んだ。
取材・文=高尾太恵子