異物混入などの影響で売上高が激減したマクドナルド。年内に閉店する店舗は150~160にのぼる見込みで、10月には都内でも閉店が相次ぎました。そんななか、閉店する店舗に貼られているポスターが話題になっています。オリジナルキャラクター「ドナルド・マクドナルド」が後ろ姿で右手を上げていて、その横に「See you」の文字。ネット上では「切ない」「不覚にもすごい感動してしまった」といった声が上がっています。あのポスターに込めた思いを、日本マクドナルドに聞きました。
【写真】後ろ姿で手を振るドナルドのポスター。正面から見たドナルドや、日本初出店の様子、海外の店舗も
異物混入などで売上高減少
日本マクドナルドホールディングスが8月に発表した2015年6月中間決算は、純損益が262億円の赤字。2001年の上場以降、中間期では最悪の水準でした。
昨年7月に仕入れ先だった中国の工場で期限切れ鶏肉の使用が発覚。今年1月には異物混入が相次いで表面化したことなどが響きました。
採算が悪い店など150~160店舗が年内に閉店予定ですが、既存店舗の改修や新しいセットメニューの導入などで巻き返しを図っています。
店頭で「最後のあいさつ」
10月末には都内でも閉店が相次ぎ、店頭での「最後のあいさつ」には、多くのファンや元従業員らが駆けつけて別れを惜しみました。駿河台店では「今までありがとう」「40年前も来てました」といったメッセージが店舗内に貼られていたそうです。
そんな閉店する店舗に共通して掲示されているのが、ドナルドのポスター。「○○年間のご愛顧ありがとうございました」というタイトルで、閉店の案内文が書かれており、後ろ姿で右手を振っています。
このポスターに対し、ネット上では「後ろ姿が寂しい」「哀愁を誘うからやめてくれ」「楽しい思い出をありがとう」といった声が上がっています。
感謝の気持ちを……
このポスターには、どんな思いが込められているのか? マクドナルドの広報担当者に話を聞きました。
――ポスターは各店舗共通ですか
「基本的な内容は同じですが、メッセージ内の店舗名や営業年数、近隣店舗のご案内は、店舗ごとに異なります」
――あのポスターに込めたメッセージを教えて下さい
「これまでお店をご愛顧いただいたお客様への感謝の気持ちをお伝えすることが一番大切なメッセージです。ここのお店は閉店してしまいますが、『See you=また近隣の店舗でお会いできるのを楽しみにしております』という思いも込めました」
後ろ姿の理由は
――後ろ向きで手を振る姿に決めた理由を教えて下さい
「後ろ姿は『ここのお店は閉店します』というメッセージと、『また近隣の店舗でお会いできるのを楽しみにしております』という二つのメッセージをお伝えするためです。さみしさや名残惜しさを表現する意図ではありませんが、皆様からそのようなお声をいただいていることは、長年ご愛顧いただいた店舗に対するお気持ちと受け止めさせていただきたいと思います。ありがとうございます」
――惜しむ声が上がっていることについて、メッセージをお願いします
「長年、地域の皆さまにご愛顧いただいたことを心より感謝申し上げます。皆さまの笑顔にふれさせていただきました店舗スタッフ一同、様々な思い出を大切にし、またお会いできることを楽しみにしております。これからもマクドナルドを、どうぞよろしくお願いします」