宇宙飛行士も民間機で飛ぶ時代へ。
イーロン・マスク氏が率いるSpaceXがNASAから初めて有人飛行契約を受注し、2017年に彼らの宇宙船ドラゴンをファルコン9ロケットで打ち上げることになりました。米国では、2011年のアトランティス以来宇宙飛行士を自国のロケットで運んでいません。NASAが民間企業と有人飛行の契約を結ぶのは今年5月のボーイング社が最初で、SpaceXは2社目です。そしてそのどちらかが、アトランティス以来初の米国のロケットによる有人飛行を実現することになります。
2017年の打ち上げは、NASAが「Commercial Crew Transportation Capability」(CCtCap)の中で行なう4つの有人ミッションの2回目となります。CCtCapとは、ISSへの宇宙飛行士輸送コストを削減するための計画です。現在、米国が有人飛行をする際はロシアのソユーズを借りているため、その都度膨大な運賃がかかっているんです。
SpaceXはすでにドラゴンによる無人でのISS補給ミッションを何回も成功させています。そしてNASAによれば、最大7人まで搭乗可能な有人用ドラゴンもすでに「製造・組み立て・統合・テストを始めるために十分なデザイン上の成熟度」に達しています。米Gizmodoの兄弟サイト、SPLOIDがドラゴンについて動画にまとめています。
この動画の後半にあるように、ドラゴンでは「SuperDracos」というエンジンを使っています。このエンジンは打ち上げ時の緊急脱出や、地上へのパラシュートなしでの着陸に使われます。これによってドラゴンは狙った場所に正確に着陸可能で再利用でき、その分コストも下げられるというわけです。
SpaceXは今年6月、ファルコン9の爆発による初のミッション失敗を経験し、ISS行きの食料や水、科学実験装置など、重量にして4000ポンド(約1.8トン)分を失っていました。それでも彼らは米軍からもGPS衛星の打ち上げを受注することになりそうですし、良いニュースが続きますね。
source: NASA
Maddie Stone、Casey Chan - Gizmodo US・SPLOID[原文1、2]
(miho)