大みそか恒例の『第66回NHK紅白歌合戦』(12月31日、後7:15~後11:45 総合ほか)で、番組初となる「テーマシンボル」を俳優の田辺誠一が描き下ろした。田辺に依頼した理由について柴崎哲也チーフプロデューサー(CP)は「ネットのツイッターなどに使用でき、一発で『紅白』とわかるアイコンがほしいと考えていた」と説明。普段テレビをあまり見ないといわれるネットユーザー、若年層を番組に取り込みたい思惑がうかがえた。
田辺は昨年、LINEスタンプ「かっこいい犬。」で注目を集め、独特な“ヘタウマ”画風が人気を呼び、今年、初個展を開くまでに“絵”の分野での活躍を広げている。オファーを受けた田辺は「とても驚いたと同時にとてもうれしかった」と腕をふるい、日本の力強さ、歌の力をイメージして、太陽と富士山を背に、空高く鳥が飛んでいるという雄大なシンボルマークを仕上げた。このシンボルマークは、関連番組やホームページ、そのほかさまざまなPR展開などで活用される。
ネットユーザーの取り込み策はほかにも。今年は前例のない司会者と出場歌手の同時発表となったほど、司会者選定に時間がかかった一方で、昨年の『NHK紅白歌合戦』で大きな話題となった「紅白ウラトークチャンネル」の司会を、昨年に引き続きお笑いコンビ・バナナマンが務めることが先(11月18日)に発表された。副音声を活用した「ウラトーク」は、「すげぇ!」などといった生のリアクションがそのまま放送され、その「自由すぎるスタイル」が面白いと評判になり、ネット上では「バナナマンが紅白の裏MVPだ!」など絶賛の声が相次いだ。
歌手の小林幸子が、特別企画として4年ぶりに紅白に“復帰”するのも、従来の演歌ファンではなく、今やインターネット動画サイトやコミックマーケットなど若者のネットカルチャーの中で、『ラスボス』と呼ばれる小林のカリスマ的な人気に期待するところが大きい。柴崎CPは「今年のテーマ“ザッツ、紅白!”を想起させる歌手であることは間違いない。豪華な衣装で長年盛り上げてくれた。久しぶりに巨大衣装を着てほしいですね」とコメント。小林も「当日は、新しい小林幸子、そしてパワーアップした小林幸子の世界を、皆さんに楽しんでいただきたい」と意気込んでいる。