去就に注目が集まっていた広島カープの“マエケン”こと前田健太投手が、球団に対して大リーグ挑戦の意向を表明。実現すればカープにとってエースの離脱となるわけだが、ネットを見る限り、カープファンはこれを容認する方向のようだ。
1988年生まれの前田は、PL学園高校からドラフト1位で広島に入団すると、入団4年目の2010年に最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、沢村賞などのタイトルを獲得。その後も安定して2ケタ勝利を上げ続け、今シーズンも15勝8敗の成績で最多勝と沢村賞を受賞した日本を代表する右ピッチャーだ。
そんな前田は、2013年のオフに大リーグ挑戦の希望を球団に伝えており、昨年のオフにもメジャー挑戦が囁かれていた。MLBのオフィシャルサイトには、移籍市場の注目選手として前田の名前が挙がり、「5年で1億ドル」との具体的な数字も登場したが、前田は昨オフでのメジャー挑戦は断念。しかし、やはりメジャーへの意志は強かったか、今年11月24日に行われた球団との話し合いで、来季のメジャー挑戦の意向を伝えたという。
前田の移籍がカープにとって大きな痛手なのは言うまでもない。今シーズンのカープの成績は69勝71敗3分で、前田が抜ければ単純に勝ち星の約2割が消える計算。ローテーションを1年守れる大黒柱が消える影響は計り知れない。また、人気・集客の面でも、前田はチーム随一の力を持った選手だ。
しかし、前田のメジャー挑戦に対する反応をツイッターで見ると、
「マエケン居なくなったら来年も棘の道だろ」
と、来季のカープを案ずる声はあるものの、
「気持ちよく送り出したれや」
など、多くのカープファンが前田のメジャー移籍を支持している。
今シーズンは黒田博樹がMLBからの高年俸を蹴って広島入りし、これが“男気”という言葉で語られたが、今度はカープファンが男気を見せ、前田の挑戦を後押ししているといえそうだ。
※当記事は2015年11月26日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。