2度にわたりTVアニメ化もされた、弐瓶勉(にへい つとむ)の『シドニアの騎士』完結巻となる単行本15巻が、2015年11月20日(金)に刊行された。さらに、その2日前の18日、『BLAME!』の劇場アニメ化を自身のTwitterで伝えると、ファンからは驚愕の声が上がった。
人類の繁殖と生産を維持しながら宇宙を旅する、巨大なる播種船・シドニアを舞台にしたSFマンガ『シドニアの騎士』で、「第39回 講談社漫画賞」一般部門を受賞した弐瓶。1971年生まれ、福島県郡山市出身の同氏が、漫画家としてキャリアをスタートさせたのは1995年になる。『BLAME』で「アフタヌーン四季賞」谷口ジロー特別賞を受賞し、『地雷震』や『スカイハイ』で知られる高橋ツトムのアシスタントに。その経験を活かし1997年、『月刊アフタヌーン』にて『BLAME!』の連載を開始した。
極限にまで発達したインターネット世界で、統治局への再アクセスを可能にするために何千フロアもの超構造体を放浪し、感染前のネット端末遺伝子を求める、探索者・霧亥(キリイ)を主人公にした『BLAME!』。その世界は、超構造体に内臓されたシステム上で起動する統治局が、正規アクセスする人間の要望を完璧に叶えていた理想世界だったのだが、破局が起こり人々はアクセス権を失い、セーフガードが容赦なく不正規アクセス者を駆除する、危険な世界へと変容してしまうのだった。
説明が少ない上に造語だらけのハードSFであるがゆえに、ファンすら「絵から情報を得なければならない」「絵も独特だし、1度読んだだけでは、何が起きているのか把握するのは難しい」「世界観・登場人物の目的など、読者に想像力が要求される」と警告するほど。しかし2回、3回と繰り返し読むうちに、「想像する楽しさがわかると、説明過多な他の作品では物足りなくなる」「詳細に描き込まれた細部を拡大しながら読むのもいい」「連載終了後10年以上経過しても、まるで色褪せないSF漫画の金字塔」といった感想に変わるようだ。
そんな『BLAME!』は、TVアニメ第2期『シドニアの騎士』内で劇中劇として放送されるなど、何度かの短編アニメ化がされてきたが、このたび、正式に劇場アニメ化が決定した。その旨を、作者・弐瓶がTwitterで「東亜重工動画制作局より告知です。BLAME!の劇場アニメ化が決まりました。制作はポリゴンピクチュアズです」と報告。
たくさんのファンから、「うわっ!」「まじかあああ!!」「ばんざああああああい!!」「シドニアで少しだけ観れたブラムが劇場で観れる日がくるんですね。続報楽しみにしております!」「劇場アニメ化おめでとうございます!これでまた生きていけます」「シドニアの作中で冒頭が映像化されて以来、この発表を心待ちにしていました」「大好きな作品だけに、期待と不安が入り混じる感じ。続報を待ちます」などのリプライが届くこととなった。中には、「おもいっきりダークでお願いします!」と要望するファンも。
公開日、スタッフ、キャストといった情報は、現時点ではすべて不明。おそらく今後、弐瓶の公式Twitterや『シドニアの騎士』公式サイトなどで明かされていくと思われるので、随時チェックしてほしい。また2015年、『BLAME!』新装版も全6巻で刊行されたため、『シドニアの騎士』で弐瓶作品にハマった人は読んでみるといいだろう。
■『BLAME!』新装版6巻(完)
■『シドニアの騎士』15巻(完)
■劇場アニメ「BLAME! 端末遺構都市」