タレントを「殺す」フジテレビ…ウッチャン番組が日テレは視聴率20%、フジは最下位の惨状 | ニコニコニュース

フジテレビ本社(「Thinkstock」より)
Business Journal

 期待のウッチャン新番組も数字が上がらない――。

 フジテレビが10月改編で送り込んだ、内村光良司会の『優しい人なら解ける クイズやさしいね』(毎週火曜19時57分~)が苦戦している。タイトルの通り、「教室の右側に廊下があるやさしい理由とは?」などの問題を出し、回答者がその理由を考える番組だ。9月26日(土)の23時台に放送したパイロット版では、視聴率8%台を獲得。すでにゴールデン帯での番組開始が決定していただけに、深夜帯での高視聴率に局内の期待は高まったという。しかし、11月3日の初回2時間SPは8.1%と2ケタに届かず。第2回の17日は6.1%とさらに下落し、第3回の24日も6.4%に。2週連続で同時間帯最下位を記録してしまった。テレビ局関係者が話す。

「初回放送日、TBSでV6の『学校へ行こう!』をぶつけられたことが痛かった。『やさしいね』は家族で見られるクイズバラエティという意味で、『学校へ行こう!』と被る。視聴者はTBSへと流れてしまった」

 この日は『学校へ行こう!』が17.8%を獲得し、同時間帯トップに立った。スペシャル番組ということもあり、『やさしいね』はそれ以降立て直すかと思われた。だが、2回目はテレ東を除き通常の1時間番組だったにもかかわらず、視聴率は低迷した。

「この番組はフジ月曜20時台で、同じく内村司会の『痛快TVスカッとジャパン』と同じ制作会社が担当しています。この番組は最近のフジにしては珍しく好調で、視聴率13%台に乗せたこともあるほど。その勢いを買って任せたわけですが、ここにフジの限界がある。まず視聴者からすれば、連日同じ時間帯で同じ司会者を見たいかという問題がある。全盛期のたけし、さんま、タモリのビッグ3や“視聴率100%男”といわれた時代の萩本欽一でも、それはなかったはず。飽きられる速度が増しますからね。内村側もよく引き受けたなという印象は開始前からありました」

 それ以上に、フジ自体の問題が大きいという。

「視聴者がフジにチャンネルを合わせなくなってきていることは明白です。来年3月限りで終了となる『ごきげんよう』なんて、フォーマットや内容自体は基本的に変わっていない。それでも視聴率が下がってしまった。テレビ局は番組内容ももちろん大事ですが、局にいかに視聴者から馴染みをもってもらうかが重要なんです。今、日テレの報道番組の視聴率が良いのは、ゴールデン帯のバラエティが充実しているので、その前から視聴者は日テレにチャンネルを合わせようとするというのも理由のひとつと考えられます。夜のニュースも、前のバラエティの流れを引き継いでいる。それは朝までつながってくるわけです」

 日テレでは内村司会の『世界の果てまでイッテQ!』が20%以上を獲得することもある。一方で、フジの内村司会番組は同時間帯最下位に。この差が今の両局を象徴している。
(文=編集部)