明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ(CS)準決勝が28日に埼玉スタジアム2002で行われ、年間3位のガンバ大阪が延長戦の末に3-1で、同2位の浦和レッズを破り、CS決勝進出を決めた。試合後、スカパー!のゲスト解説を務めた、元日本代表監督でFC今治オーナーの岡田武史氏が記者団の取材に応じた。
岡田氏は120分間の激闘を演じた両チームに対して「ここ何年間の成績を見ても安定していて、たまたまポッと出てきたチームじゃない。ガンバは2部から上がってすぐに勝ったけど、それなりに力を持ったチーム。現場だけで力が持続することはないので、クラブ全体の力があるなと感じた」と述べ、CSに進んだサンフレッチェ広島、浦和、G大阪はチーム力だけでなく、クラブ全体として力を合わせているからこそ、この舞台で上がってきていると評価した。
今回のCS決勝は、セカンドステージ優勝、年間1位の広島と、昨季王者で年間3位のG大阪が対戦することになった。ホーム&アウェーで行われる決勝については「もっと采配の醍醐味や、2試合を通してどう戦うか。ものすごく面白みがあるんじゃないかな」と濃厚な2試合になると予想した。
自身も2004年の横浜F・マリノス時代に経験したホーム&アウェー方式の決戦。当時の対戦相手である浦和は強力なチームを擁していて、「絶対にレッズのほうが上だ」という気持ちで試合に臨んでいたという。岡田氏は相手に手の内を探られないように、第1戦では引き分けを狙い、第2戦で勝つことを目指していたというが、実際は初戦で見事に勝ってしまい「2試合目をどうしようかと思った」と苦悩したことを明かした。しかし、第2戦は横浜FMが退場者を出したことで、守備的に戦わざるを得なくなり、結果としてPK戦の末に連覇を果たすことができたという。「サッカーって何が起こるかわからないから。監督を含めたプランと現実のギャップをどう埋めていくかが面白い」と見どころを語った。
この日はスカパー!の解説者として試合を解説した岡田氏。第2戦では元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏も加わる予定だが、同氏とは「夜、飯を食おう」とすでに約束を取り付けているという。久々に会うというザッケローニ氏について「まだ無職だろ、アイツ(苦笑)。FC今治の監督やらないかな? タダで…ウチは金出せないからさ(苦笑)。(ザッケローニ氏は)経営するレストランが儲かっているから働かなくていい(笑)」と冗談を交えながら、FC今治の監督就任を求めた。
CS決勝第1戦は12月2日にG大阪のホーム・万博記念競技場で、第2戦は同5日に広島のホーム・エディオンスタジアム広島で行われる。なお、CS全試合を生中継するスカパー!の放送では、12月2日の決勝戦第1戦で城福浩氏が、12月5日の第2戦では前述のとおり、準決勝でも解説を務めた岡田氏と水沼貴史氏に加え、ゲストとしてザッケローニ氏が解説を担当する。