テレビ番組「逃走中」が人気の理由はミラーニューロン効果のおかげ!? | ニコニコニュース

テレビ番組「逃走中」が人気の理由はミラーニューロン効果のおかげ!?
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2004年から不定期で放送されている『run for money 逃走中』(フジテレビ系)が人気だ。この番組は、「逃走者」として参加した20人程度の芸能人が、彼らを捕まえようとする「ハンター」から一定時間逃げ切れば、100万円以上の賞金を手に入れられるというサスペンス型バラエティ番組。放送回数は40回を越え、本日の19時からは「逃走中 ~大江戸ヒーローズ 偉人達と駆け抜けろ~」が放送予定だ。

だが、賞金を入手できるのはあくまでゲームに参加した芸能人であり、視聴者は一円も手に入れることはできない。それにもかかわらず、なぜ「逃走中」は人気なのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に聞いた。

■ミラーニューロン効果とは

「おそらく『ミラーニューロン効果』によるものだと思います。まだ定かではないのですが、人間の脳のなかには、自分が見ている人と同じ行動をとろうとする『ミラーニューロン』という神経があるのではないかといわれています。たとえば笑顔の人を見ると、それを見ている自分の頬の筋肉までかすかながら動くのです。同じように、番組のなかで逃げている人を見ると、自分まで逃げているかのような生理反応があるのではないでしょうか」(内藤先生)

映画や小説、マンガなどの登場人物に感情移入することはよくあることだが、これと同じだろうか。

■感情ではなく生理反応

「感情移入とはちがいます。ミラーニューロン効果はあくまで生理反応ですから。たとえば、映画のなかで逃げている人を見て、自分の心臓も早く動いていることがありますよね。あれが生理反応です」(内藤先生)

また、ドラマのなかで泣いている人を見たときに涙があふれてくることがあるのも、生理反応だという。どうやら、ミラーニューロン効果は感情とは関係なく、見たものを「鏡」のように自分の脳内に投影し、自分の行動として再現しようとするもののようだ。

内藤先生によると、『逃走中』だけでなく、お見合い番組などでも同じことが起きていると考えられるとのこと。今後、映画やテレビを観ているときには、この効果が実際に起きているか少し意識してみるとおもしろいかもしれない。

「教えて!goo」では、「ミラーニューロン効果を感じたことはある?」ということで、みなさんの意見を募集中! 

●専門家プロフィール:内藤 誼人(ないとう よしひと)


心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「3割しか話さないのになぜかうまくいくビジネス英会話のルール」(ジャパンタイムズ)他、著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)