『アイドルマスター シンデレラガールズ』の3rdライブイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 3rdLIVE シンデレラの舞踏会 - Power of Smile -」が11月28日・29日の両日、幕張メッセ特設ステージで行われたが、今回は29日に開催された2日目公演をレポートする。
今回のライブはソーシャルゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』の4周年を祝う3rdライブであり、2015年1月~3月に1st Season、7月~10月に2nd Seasonが放送されたTVアニメ版の集大成となるライブでもある。シンデレラたちの舞踏会を見届けようと会場に1万7000人以上、全国のライブビューイングに約2万人の観客が集まった本ライブ。初日の模様はこちらで確認してほしい。
2日目には、『シンデレラガールズ』の各アイドルにスポットを当てるCDシリーズ「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER」第9弾として五十嵐響子、中野有香(cv. 下地紫野)、二宮飛鳥、相葉夕美(cv. 木村珠莉)、大槻唯(cv. 山下七海)がCDデビューすることが発表された。また、「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER jewelries!」第3弾の制作が決定し、12月1日よりカバー曲の公募がスタートすることが明かされた。
○積み重ねてきた物語を昇華する幸福なライブ
2日目には大橋彩香(島村卯月役)、福原綾香(渋谷凛役)、原紗友里(本田未央役)、青木瑠璃子(多田李衣菜役)、五十嵐裕美(双葉杏役)、大空直美(緒方智絵里役)、大坪由佳(三村かな子役)、黒沢ともよ(赤城みりあ役)、洲崎綾(新田美波役)、高森奈津美(前川みく役)、松嵜麗(諸星きらり役)、山本希望(城ヶ崎莉嘉役)、佳村はるか(城ヶ崎美嘉役)、飯田友子(速水奏役)、佐藤亜美菜(橘ありす役)、髙野麻美(宮本フレデリカ役)、照井春佳(櫻井桃華役)、東山奈央(川島瑞樹役)、松井恵理子(神谷奈緒役)、安野希世乃(木村夏樹役)、ルゥ ティン(塩見周子役)が登場。シンデレラプロジェクトからは洲崎綾が2日目からの出演となったほか、アニメ2nd Seasonに登場したプロジェクトクローネ(美城常務肝煎りのチーム)組を中心に、『シンデレラガールズ』関連ライブ初出演組が多いフレッシュな顔ぶれとなった。
2日目はアニメ2nd Seasonの楽曲を中心としたセット構成で、シンデレラライブ初登場組の多さからか、2日目はソロ楽曲が多め。メイドダンサーズを引き連れた照井春佳は、薔薇の花弁が舞い散る中「ラヴィアン・ローズ」を披露。ルゥティンは和のテイストの扇子を華やかに振りながら「青の一番星」を舞い歌った。髙野麻美の「き・ま・ぐ・れ Cafe au lait!」はのんびりかわいらしい楽曲だが、ポップなパリの街並みを背景にパリのパン屋さんやウェイトレスに扮したダンサーたち、そしてうづみく(大橋と高森)まで巻き込んで楽しいショーに仕上げていた。
ロック少女・木村夏樹を演じる安野希世乃は、あえて飾り気の少ない演出の「Rockin' Emotion」で歌声と佇まいによりロッカーらしさを体現。飯田の「Hotel Moonside」はダンサーたちの野性的な動のダンスと、静かに冴え渡る飯田の歌唱のコントラストが印象的だった。そして初参加組のソロで強い印象を残したのが、橘ありす役の佐藤亜美菜だ。あふれる想いの涙をこらえながら、プロとして最後まで歌い切る姿は胸に迫るものがあった。
キャラクターとキャラクターの絆に焦点を当てた曲も多く、「DOKIDOKIリズム」での姉妹共演や、きらりの「ましゅまろキッス」への杏役・五十嵐の参加なども印象に残った。高森、青木、安野、松嵜で歌った「Wonder goes on!!」は、作中のみく、李衣菜、夏樹、そして菜々の絆の曲。それだけに、ここに安部菜々役の三宅麻理恵がいればな……と誰もが思った瞬間、4人の真ん中のセリ上がりから高々と右手とウサミミを掲げた三宅がサプライズ登場した時は、会場はこの日一番の大歓声に包まれた。
アニメ2nd Seasonといえば、美城常務肝煎りのアイドルチーム「プロジェクトクローネ」もまた魅力にあふれた存在だ。クローネの楽曲を集めたコーナーでは、福原、東山、松井の実力者に新人5人を加えた8人が「Absolute NIne」でシンデレラプロジェクトとは違った空気感のユニゾンを響かせた。圧巻は「Trancing Pulse」で、ユニット・トライアドプリムスから福原と松井が参加。残念ながらもう一人のメンバー・加蓮を演じる渕上は今回参加できなかったが、かわりのメンバーを入れること無く、2人でより声量と熱量を込めることでデュオならではの歌声を響かせた後、松井が次こそは3人での歌唱を実現すると誓っていた。
だが、TVアニメ『シンデレラガールズ』が終了した今だから見せられたのは、やはりnew generationsの物語だろう。ライブ終盤、卯月を想う凛と未央の心情を綴った「心もよう」を福原と原が歌い終わると、ステージには卯月役の大橋が登場。3人が切なくも眩しい笑顔で「流れ星キセキ」を歌った。そしてその流れで、第24話で卯月が悩みと仲間やアイドルへの想いを込めて歌った「S(mile)ING」は、ステージ上に美しい物語を描くようだった。
2日目のラストの挨拶は涙まじりではあったが、このステージに立てたことへの感謝と、これからもずっとシンデレラとして進んでいきたい願いに満ちたものだった。新たなシンデレラたちのCDの制作も告知され、シンデレラたちの物語はこれからも続いていく。
○「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 3rdLIVE シンデレラの舞踏会 - Power of Smile -」2日目セットリスト
(中里キリ)