先日、当コラムではツイッターなどのSNSでシェア・リツイートといった拡散行為を行うと犯罪になる4類型を紹介した。今回は、これに新たに3つのパターンを追加しようと思う。今回考えるテーマは、巨大掲示板2ちゃんねるで起こった「犯罪予告」についてである。
一時は、書き込みをしたユーザーが逮捕起訴されるまで至った事件ではあったが、記憶に残っている方はどれくらいいるだろうか。実はこの逮捕の裏でも、関連する幾らかグレーな問題が浮上していたのだ。「教えて!goo」に寄せられたのは、このような質問である。
■犯罪予告をコピペして、指摘!
質問は、ある人が掲示板に書き込んだ犯罪予告を質問者が見て、事の重大性を知らしめるために、コピへして拡散したという内容である。これが法に抵触するのかどうかについて、回答者は異口同音に「いずれにせよ警察のお世話にはなるだろう」と語っている。
「コピペでも犯罪予告は犯罪予告です。よって事情聴取の可能性はあるでしょう」(te2kunさん)
「重点監視対象になっていること知らないのですか」(habataki6さん)
では仮に、こうした犯罪行為をSNSで拡散しても、同じようなおそれがあるのだろうか。以下ではそれについて、解説・類型化を図ろうと思う。
■共犯を疑われる!違法行為の拡散リツイート
SNSの中でもツイッターを例に挙げるならば、つい最近までアルバイトが問題行動を起こし、自らその様子をツイッターで自慢気に投稿するというニュースがあった。もちろん彼らには、それなりの処分が下されたと思うが、この違法行為のツイートを、たとえ正義心からでも、拡散リツイートした人は、法に抵触するのだろうか。これについて弁護士法人京阪藤和法律事務所京都事務所の中島宏樹弁護士は、「違法行為拡散型ツイート」を問われる罪に合わせて3つに類型化した。
「1)著作権法違反の画像や動画をリツイート:諸説あるが正犯あるいは幇助犯(ほうじょはん)の可能性あり。
匿名性の高いSNSにおいては、人はした行為に対する責任をあまり意識しなくなる。ましてやボタン一つでできてしまう行為ならなおさらである。しかし法の世界では、違法行為に対しては、相応の責任が行為者にあるとされ、これまた相応の罰が与えられる。ポジティブな観点から、決してネットの世界と現実世界の責任感覚を乖離させてはならない。
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