幼児の眼球にドローン墜落で失明! 増加するドローン事故の恐怖で議論紛糾! | ニコニコニュース

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TOCANA

 小型の無人飛行機ドローン。

 もともとは敵地への偵察や空爆を行うために軍事目的で開発されたのだが、その技術は瞬く間に民間へ広まった。

「空の産業革命」と持て囃され、開発を行う企業には投資として多額の資金が集まり、新型機種が市場へ続々と登場。流通小売業最大手のアマゾンが早ければ2016年にもドローンによる商品の配達を開始するとも伝えられているため、今後、ますます私たちの生活の中に浸透していくことは間違いないだろう。ただし、ドローンはまだ発展途上のガジェットであり、使用する際の安全面や所有者のモラル面でも、多くの課題が解決されていない。

 11月26日、イギリスのBBCニュースがドローンの引き起こした痛ましい事件を報じた。

 その日、ウースターシャー州に暮らすウェッブ夫妻の元を友人のサイモン・エヴァンスが訪れた。ドローンを持参したエヴァンスは、生後18カ月になる夫妻の息子オスカーと幸せなファミリーの様子を記念に空撮しようとしたのだ。

 エヴァンスがドローンを上空へ60秒ほど飛ばし、一旦、地面へ降下させようとした際のことだった。ドローンは近くにあった木に接触し、コントロールを失ってしまった。

 きゃああああ!

 辺りにウェッブ夫妻の悲鳴があがった――。

 エヴァンスが振り返ると、目から出血したオスカーが地面に横たわり泣いていたのだ。18か月の幼児、オスカー・ウェッブの眼球は、ちょうど墜落してきたドローンのプロペラによって真っ二つに切り裂かれてしまったのだった。

 母親のエイミー・ロバーツは救急車で直ちにオスカーを病院へ搬送。緊急のオペが行われたのだが、酷く傷つけられたオスカーの右目は光を失ってしまった。

「私はこれまでに多くの患者の治療を行ってきたが、ドローンによってこんなにも幼い子どもが傷つけられた例は初めてです。ドローンの使用が更に一般的になれば、このようなケースが増えるのは避けられないのかもしれません」

 手術を担当した眼科医のフェイ・メリントンは取材にそう答えた。


■各所で発生するドローン事故

 さらに今年9月12日には、アメリカのカリフォルニア州でもドローンの誤作動によって幼児が傷つけられる事件が発生している。

  母親が生後11カ月の娘をベビーカーへ乗せて通りを歩いていたところ、ちょうどその近くにドローンが激しく墜落。機体は粉々になったのだが、その際に鋭利なパーツが幼女めがけて飛び散ったのだ。

 この不慮の事故によって幼女は額に大きな挫傷と、頭部に裂傷を負ってしまった。ドローンを操作していた24歳の青年は、現場付近で開催されていたイベントの模様を撮影していたのだが、操作を誤り機体を墜落させてしまったとのこと。

 この件を受けて、アメリカの連邦航空局はドローンを安全に取り扱うよう、強く所有者へ注意喚起していくと発表。そして、不注意や無謀なドローンの操作によって事件や事故が発生した場合、1,000~25,000ドル(約12万~300万円)の罰金を課すとも名言した。

 今年に入ってからは日本国内でもドローンによる事故が相次いで報告されている。記憶にも新しい首相官邸や姫路城での墜落事故などは、もはや個人による使用責任を大きく逸脱してしまっている。

「プロのような迫力ある空撮映像が誰でも手軽に撮影できる」という触れ込みで、多くの人はドローンをオモチャの延長線上として考えているのかもしれない。だが、操作を誤ってしまえば人を傷つけ、取り返しのつかない事態を引き起こすことも十分にありえるのだと忘れてはならない。


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