歌手の小田和正が、作家・横山秀夫氏の人気小説を2部作で映画化する『64-ロクヨン-前編/後編』の主題歌「風は止んだ」を書き下ろしたことが1日わかった。小田が映画主題歌を書き下ろすのは、『ロック~わんこの島~』(2011年7月公開)の「hello hello」以来の約5年ぶり。今回、瀬々敬久監督からのオファーを快諾した小田が原作を読んで制作に臨んだ同曲は、やさしいメロディと普遍的な歌詞が胸に染みるバラードに仕上がっている。
【映像】書き下ろし主題歌「風は止んだ」を収録、『64-ロクヨン-』予告映像
完成した同曲を聴いた瀬々監督は、冒頭の歌詞から「ブルース・スプリングティーンの「生きる理由」という曲を思い出しました」と語り、さらに続ける。「スプリングスティーンがテレンス・マリック監督作品『地獄の逃避行』を観て想を得て作ったアルバム『ネブラスカ』、そのなかのラストを飾る曲です。その後、ショーン・ペンは『ネブラスカ』のなかの「ハイウェイ・パトロール」という曲からヒントを得て映画『インディアン・ランナー』を作ります。そのアルバムの最後を括る「生きる理由」。人は、苦しい時であればあるほど、『生きる理由(わけ)』を探します。『64-ロクヨン-前編/後編』もそういう人々の大きな集合体である映画です。荒涼とした大地、ネブラスカと同じように北関東のささくれ立った風景のなかで展開していく今作の世界に挿す一筋の光、それが今回の小田さんの楽曲です」と熱い想いをコメントする。
一方、主演の佐藤浩市も「完成した映画のラストに小田和正さんの曲が流れたとき、ようやく永い戦いが終わったように穏やかな気持ちになれました」。
また、本日2日、その主題歌を使用した予告編映像も解禁になった。佐藤をはじめとする気迫溢れる俳優陣が次々と登場し、物語のキー握る“昭和64年”というメッセージとともに、鬼気迫るシーンが連続で映し出される。小田の主題歌が流れるなか「子どもがいなくなるそれがどういう事なのか、刑事はそんな事もわからないのか」と涙ながらに訴える広報官・三上(佐藤)の姿が印象的な映像になっている。