日本では各自治体の消防が救急のサービスを提供している。近年は救急車の出動件数が増加し、軽症であっても救急車を呼ぶ人がいるといった理由によって、救急車の有料化を検討すべきといった議論も存在するようだ。
だが、日本の救急サービスは仮に有料となったとしても、中国人から見ればずいぶん優れているらしい。中国メディアの新浪専欄は11月30日、北京市の救急サービスを例に挙げ、「日本の救急サービスとは差がありすぎる」と論じる記事を掲載した。
記事は、中国国内でこのほど旅客機の搭乗客が急病で北京市の救急サービスで病院に搬送された事例を紹介。搭乗客は深刻な症状ではなかったようで、自らの足で旅客機を降り、自らの足で救急車に乗ったことを紹介する一方、実際に搬送されたのは空港からはるかに離れ、適切な診断も不可能な救急センターだったと紹介。さらに、救急センターでは医者に麻薬の使用を疑われ、十数時間も経過してから搭乗客の友人の手配によって適切な処置のできる病院に搬送されたと紹介した。
続けて、体調を崩した搭乗客に対し、救急サービスで適切な搬送や処置ができなかったことについて、「これまでに不適切な搬送や処置で命が失われたことがあったかも知れない」としながらも、誰も問題にしようとしないと指摘。さらに、日本は中国の隣国であるとしながらも、「救急サービスの質はあまりにも違う」と論じている。
記事は、日本では救急サービスが自治体の消防が管理しており、非常に効率の良い仕事をしていると紹介、救急車は緊急自動車として患者の迅速な搬送が可能であるうえ、24時間365日稼働していると伝えた。さらに、日本の救急車は無料で利用できるうえに、最適な病院へと患者を搬送してくれると伝えたうえで、中国の首都である北京市の救急サービスが日本以下である以上、中国全体の救急サービスも日本以下であることはほぼ間違いないと論じた。
日本では消防の救急は無料となっているが、世界的に見れば有料の国も多く、中国も有料の国の1つだ。中国では救急車を利用する際には料金を先に支払うことが一般的で、持ちあわせのない人が救急搬送を拒絶され、患者が死亡してしまう事例も起きている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Cathy Yeulet/123RF.COM)