コルグは12月1日、iPhoneで動作するアナログシンセサイザーアプリ「iDS-10」を発売した。価格は2400円(12月28日まで半額の1200円)。ベースになったニンテンドーDS用ソフトと同様に、2つのVCOで分厚いアナログサウンドを手軽に作ることができるだけでなく、歌詞をのせたボーカルもプレイ可能だ。
1978年に登場したベストセラーのアナログシンセサイザー「MS-10」をニンテンドーDSで再現した「KORG DS-10」がAQインタラクティブ(現マーベラス)とKORGの共同開発で発売されたのが2008年。2014年には3Dでオシロスコープを見ながら音作りできる「DSN-12」をDETUNEがニンテンドー3DS向けに発売。iPad向けにはこのシリーズの最上位とも言える「iMS-20」を2010年から提供している。
「iDS-10」はこれらのソフトすべてに関わっている佐野電磁こと佐野信義氏率いるDETUNEとKORGとの共同プロデュース。
iDS-10はDSN-12のように3Dではないもののオシロスコープ機能を持つ。アナログシンセは2トラックでもちろんパッチング可能、ドラムはキックやスネアなど6種類の音源、エフェクトはディレイ、リバーブ、イコライザーなど5種類。そしてこれまでにない機能が「ボイス・シンセサイザー」。
ボイス・シンセサイザーでは、ボコーダーエンジンがベースなのでVOCALOIDのように人間らしくはないが、ロボットっぽくなら歌える。歌声は以前紹介したchipspeechに近い。
英数字による歌詞の打ち込みができるため、KORGにとって初めての歌声合成ソフトと言えるかもしれない。ポルタメント、ビブラート、ノイズ、フォルマント、レゾナンスといったパラメータによる細かいコントロールも可能。ノイズを増やしていくとデスボイスっぽくなるのもおもしろい。
また、文字入力ではなくiPhoneのマイク入力にすることで、自分が録音した声をロボボイスとしてシーケンサーで演奏させることができる。
演奏はDS-10と同じく、ピアノロールによるステップシーケンサーと、XY方向にグリグリ指を動かすことで音色やメロディーを変化させるKAOSSモードが使える。さらに、設定したスケールの音だけを演奏する「スマート・キーボード」も備える。