チームで掴んだ逆転勝利を喜ぶ広島MF青山「万博を紫の歓喜にできた」 | ニコニコニュース

チーム2点目の同点ゴールをアシストした広島MF青山敏弘 [写真]=白井誠二
サッカーキング

 明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝第1戦が2日に行われ、サンフレッチェ広島は敵地でガンバ大阪と対戦し、3-2で逆転勝利を収めた。試合後、広島のキャプテンMF青山敏弘が記者団の取材に応じた。

 試合は、広島が60分にミスから失点。MF森崎和幸とDF千葉和彦がバックパスをお見合いした隙に、FW長沢駿が中途半端なボールをゴールに突き刺しG大阪に先制を許す。だが80分には、FW浅野拓磨のシュートから、最後はMF柏好文のシュートをMFドウグラスが頭でコースを代えてゴールネットを揺らした。だが、同点で安堵したのも束の間、直後の81分にFKの流れからG大阪MF今野泰幸に右足ボレーをゴール右隅に決められ、失点を喫した。

 再びリードを許す展開に青山は、「今日もいい試合、いいサッカーはもちろんしたかったけど、そんなに甘くないことはみんなも分かっていた。ガンバが強いこと、力があることも今日はみんな受け入れてやりました」とG大阪の実力を認めつつも、「こういう試合は求めていなかった。落ち着いて試合を進めなきゃいけなかったけど、苦しい中で自分たちのペースが来るのを待っていました」と、我慢強く流れを待っていたという。

 ペースが広島に傾いたのは後半アディショナルタイムに入った直後だった。「しっかり良いボールを蹴ることを意識しました。フリーでボールを受けて。ベンチからアオ(青山)にボールを出せって指示が出たので、その瞬間にしっかり準備しましたし、ファーストタッチもしっかり収めることができたんで、いいボールが蹴れました」と振り返る様に、青山は右サイドで獲得したFKの流れから、精度の高いクロスを供給。そのボールにエリア内中央のDF佐々木翔が頭で合わせて、同点ゴールを奪った。

 この日は徹底マークに遭い、佐々木の得点を演出するまで普段のパフォーマンスを発揮できていなかった青山。「ほとんど自分自身は消えていました」と認めたが、「やっぱり自分に何ができるかを考えましね。どこかで存在を示さなければいけないとは思っていたので」として、虎視眈々と輝ける瞬間を狙っていたという。

 土壇場の同点ゴールを決めると、完全に流れは広島のものになった。「相手は引かざるを得なかったんで、必然的に自分たちが押しこむ形になった」と振り返り、「声を掛けなくてもやるべきことはみんなも分かっていた」とチームの思いは“逆転”で1つになっていたと明かす。

 すると終了間際のワンプレーでその思いが逆転を引き寄せた。MF山岸智が左サイドからクロスを供給すると、中央で混戦になるが、最後は柏が右足ボレーでゴールネットを揺らした。「気持ちの部分で最後にカシ(柏)が押し込んでくれた。あれはみんなでつないだボールなんで、その思いっていうところではあの1点は大きかった。みんなで戦っていることは今日も示せた」とチームで奪った逆転ゴールを喜んだ。さらに、「やっぱり広島の力を示せたことは誇らしかった。万博を紫の歓喜にできたことは自分たちの力があることを示せたので、誇らしかった」と敵地まで応援に駆けつけたサポーターの歓喜を目の当たりにし、改めて誇りとともに喜びをかみしめた。

 だが、「まだ何も決まったわけじゃない」と気を引き締める同選手は、「やっぱり出るべきところで出て行くということをみんなで意思統一できた。ゴールは最後に2つ、出来過ぎかもしれないけど、それよりも失点のところをもう1回みんなで修正してやらなきゃいけないなと思います」とすでに第2戦を見据える。

「まずはしっかり自分たちのやるべきことを整理しなければいけない。2点差という部分は把握して理解しながらやらなければいけない。自分たちの良さである守備から攻撃という部分はもっと出していかなければいけないし、今日を見ていたら分かるように、最後に何が起こるかわからないんで。たとえファーストレグに勝ったとしても、そこは肝に銘じてやらなければ」

 第2戦は5日にホーム・エディオンスタジアム広島で開催。セカンドステージ優勝を決めたJ1レギュラーシーズン最終節と同様に満員が期待される。青山は「やるべきことをしっかりやれれば、いい結果が待っていると思う。まずはできることをやっていきたい」と意気込み、スタジアムを最高潮の“紫の歓喜”に包むべく、2年ぶりのJ1制覇を誓った。