戦火を逃れて旅をする「難民」。最近、ニュースでもたびたび取り上げられています。生きるためにシリアからギリシャへと向かう一行。その中に、小さな命を抱えて旅をする少年の姿がありました。
シリア難民の1人である、17歳の少年Aslan君。彼はシリアからギリシャの島レスボス島までの500kmに及ぶ道のりを歩いて来たのだそう。しかも、彼は子犬を入れたケージを抱えてやってきたのでした。
Aslan君が連れていたのはRoseと名付けられた小さな犬。彼はRoseのほかに小ぶりなバックパックしか持っていなかったのだとか。Aslan君は自分のための荷物を減らしてでも、犬と犬のための食料や水を持っていくことを選んだのでした。道中、「犬を連れて行けない」と言われたという彼は、Roseのパスポートまで取ったのだそうです。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のインタビューで、彼はRoseの存在について「この犬のことが大好きで、自分には必要なもの」と語ったそう。誰にとっても掛け替えのない存在がありますが、Aslan君にはRoseだったのでしょう。Roseを大事そうに抱えて微笑むAslan君は、まるで困難の中にも希望があることを語っているようなのでした。
■シリア難民のAslan君と子犬のRose
■Aslan君は自分の荷物よりも子犬の命を選択
■無邪気に水を飲むRose
■UNHCRのインタビューに答えるAslan君
■「Good Luck!」と言って旅を続けるのでした
(「シリアからギリシャまで歩いた、シリア難民の17歳少年」の動画はオリジナルサイトを参照)
(文/訳 木口マリ)