岐阜県美濃加茂市の観光協会が、アニメ『のうりん』とコラボして実施しているスタンプラリーのポスターに、巨乳キャラである「良田胡蝶」を掲載したところ、批判があがったため掲出をとりやめた。この経緯が、波紋を広げている。
『のうりん』は美濃加茂市をモデルに、ユニークな農業高校生たちが繰り広げる学園ラブコメディ。原作は白鳥士郎氏によるライトノベルで、2014年1月からのアニメ放送の際には美濃加茂市が全面協力するなど、美濃加茂市と同アニメの関わりは深い。
11月7日よりこのポスターの掲出はスタートし、同日、観光協会の公式ツイッターアカウントがポスタービジュアルとともに告知をツイート。それが11月下旬になって拡散するとともに批判が集まるかたちとなった。
やり玉にあがっているイラストは、これまでにも同年の献血キャンペーンのポスターなど、すでに何度か使用されている。そのため“なぜ、今回は…”と市の担当者も困惑していると報じられ、ネット上にも疑問を抱く声が少なくない。Twitterには、
「のうりんのポスターは過去にもあったのにそれは問題にならず今回だけ問題になったというのはやはり気になる。『性的』だという意見が妥当だとするならば中沢農(編集部註:過去の同キャンペーンで使用された別キャラクター)のブルマのほうが余程アウトではないのか。『おっぱい』という即物的なもので脊髄反射的に批判しただけではないのか」
という意見が投稿されている。また、
「のうりんは、まさに作者が問題意識をもって美濃加茂市みたいな町に人々の目が向くように書いた作品で、それに市長も市民も一致団結して乗っかっているというドリームカムトゥルーな展開なので、水差すなよ以外の感想がない」
など、地域活性化や町おこしに水を差すのではないか、との心配の声も。ただし、
「のうりんのポスターもアレは描き方の問題だと思うんだよねー。胸を強調して、眉ひそめて、腰くねらせたらそら誘ってる女の絵だからエロい。規制だって言われても仕方なしでは」
のように、このビジュアルに不快感を抱く人がいることも事実だ。
女性性を強調したキャラクターのどこまでが「エロ」で、どこまでが「エロではない」かの線引きには、どうしても個人差がある。不特定多数が目にするSNSと“萌えキャラ”を使った地元PRは、賛否両論となるのが避けられないのかもしれない。
※当記事は2015年12月03日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。