俳優・綾野剛が、白石和彌監督の最新作「日本で一番悪い奴ら」に主演していることがわかった。約1カ月間にわたる撮影で、綾野は体重を10キロ増減させた上で、毎日のように激しい柔道練習に取り組むなど、体を張った役作りに挑んでいる。
メジャーデビュー作「凶悪」で国内の映画賞を総なめにした白石監督が、2002年に北海道警察で起きた「日本警察史上最大の不祥事」とされる"稲葉事件"を題材に描く。今年だけで公開作が5本、2016年も5本の映画が公開予定の"日本一忙しい俳優"である綾野は、同事件で「黒い警部」と呼ばれた実在の男がモデルの役どころを演じる。
綾野は、脚本の圧倒的な内容に「何を犠牲にしても出演するべき作品」と電撃に貫かれ、オファーからわずか3日で出演を快諾したという。「始まってしまう。情報解禁というだけで、武者震いします」とコメントを寄せ、「白石和彌監督との出会い、撮影現場、過ごした時間は、私の役者人生に無二の影響を与えて頂きました」と感無量の様子。さらに物語では、警部の26年に及ぶ半生を描いているだけに、「この作品は、私が来年出演する映画でも、もっとも衝撃で愚かで愛おしい、何物にも変えがたい問答無用の最狂・最愛物語です。皆様、どうか1人の男の人生を目撃ください」と呼びかけている。
また今作は、北海道出身の白石監督が「この映画を撮らずに、次のステージには進めない」と覚悟を決め、マーティン・スコセッシ監督作「グッドフェローズ」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」や、深作欣二監督作「県警対組織暴力」を超え、世界で勝負できる犯罪映画を目指した意欲作だ。白石監督は「綾野剛という稀代の映画俳優とともに粉骨砕身して取り組みました」と明かし、「1人の人間の半生を描くことが、これほどまでに困難で苦しく、そして極上の輝きを持つものかと驚嘆しています。それもこれも全ては綾野剛! 苦く哀しく、どうしようもなく楽しい極上のエンターテインメントになっています。楽しみにお待ち下さい」と語っている。
「日本で一番悪い奴ら」は、今年6月~7月上旬に撮影が行われ、16年2月に完成予定。公開は、16年6日25日から。