12月5日(土)、日本とトルコの絆を深めた2つの事件を描いた映画『海難1890』の初日舞台挨拶が開催され、内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、夏川結衣、田中光敏監督が登壇した。
本作では、和歌山県沖で台風に遭遇し沈没したトルコ軍艦の乗組員たちを村人たちが救った1890年のエルトゥールル号海難事故と、イラン・イラク戦争でイランに取り残された日本人たちの救出にトルコ人たちが尽力した1985年のテヘラン法人救出劇が描かれている。
舞台挨拶では、事件当時トルコ人が「真心」を乗せて救援機で駆け付けたことにちなみ、それぞれが思う「真心の意味」を発表。内野は「何かするということで見返りを求めない、邪気のない純真な気持ちのこと。今ここにいるのはヒット祈願でいたりするんですけど(笑)。邪気ありまくりですね」と話し、会場を笑わせた。
また、年末年始の恒例イベント“今年の漢字”の発表に習い、“1年間でこの映画に込めたメッセージ”を、漢字一文字で表し、その思い入れを発表。ケナンは自身が描いた「誠」という字を披露し、「この映画のことを考えたときに誠実という言葉を思い浮かべました。誠実というのは、トルコの文化にとって大事なものです。現代は全てがせわしないですが、ややもすると忘れがちなこの言葉の意味や概念を、この映画によって、思い出していただき、次世代に受け継がれていくことを私は望みます」とコメント。
一方の内野は「潔。潔いという文字です。僕はこの作品が日本人の心とトルコ人の心を描いている作品だと思っていて。日本人は自分が苦しいときも危険を顧みず、トルコ人を助けたりした。潔い人たちがいたもんだ、と思いました。なんか日本の美意識に通じる漢字だそうですよ」と笑顔を見せていた。【取材・文/平井あゆみ】