「お菓子」とひとことで言っても、デパ地下のショーウィンドーに並んでいて、華やかなデコレーションが施された「スイーツ」から、家庭でお母さんが作ってくれたような素朴で懐かしい「おやつ」的なものまで、いろいろなタイプのお菓子があると思います。
そんな“おやつ”作りのカリスマで、朝から行列ができる、人気おやつ店「foodmood(フードムード)」店主・なかしましほさんの最新刊『まいにちおやつ』(なかしましほ/KADOKAWA)が発売されました。本書は、雑誌『レタスクラブ』の連載コラムをまとめたもの。なかしまさんが、初心者でも失敗しないように、できるだけシンプルな工程にしたり、失敗しないためのポイントを丁寧に教えてくれるなど、とてもわかりやすい内容で、毎日作って食べたくなるものばかりです。今回はこの中から、気軽につまめたり、みんなで食べたくなるようなおやつなど、3品を実際に作ってみました。
◆ロシアンクッキー(P.17)
バターをボウルに入れて、湯せんで柔らかくクリーム状にしたら、粉糖を加えて混ぜます。そこに、溶き卵を少しずつ加えながらよく混ぜます。さらに、薄力粉、ベーキングパウダーをふるい入れ、粉けがなくなるまで混ぜたら、絞り袋に入れます。オーブンペーパーの上に、生地を絞り出し、真ん中の部分にジャムをのせます。これを160度に予熱したオーブンで20分ほど焼けば完成。
ロシアンクッキーとは、ロシアのお菓子を日本風にアレンジした焼き菓子のことです。見た目からして、どこか懐かしい感じがするクッキーですが、食べてみると、いつものクッキーよりも少し柔らかい食感で、しっとりしたケーキのようで美味しい!この柔らかさがクセになります!
◆アップルパイ(P.35)
バターと牛乳をボウルに入れて湯せんにかけ、とろりとするまで混ぜたら、薄力粉を加えて、さっくりと粉けがなくなるまで混ぜます。この生地をラップで包んで冷蔵庫で1時間以上冷やしてねかせます。これを、めん棒で厚さ2mm、約20cm四方にのばします。その上に皮つきのまま厚さ3mmにスライスしたりんごを並べ、上からグラニュー糖、シナモンをふります。最後に190度に予熱しておいたオーブンで30分ほど焼けば完成。
アップルパイというと、なんだか難しそうなイメージがしますが、このパイは粉に材料を混ぜていくだけなのでとっても簡単。でも食感はサクサクして、しっかりめのパイを食べているような感じでした。このパイと、加熱して甘くなったりんご&シナモンの香りが絶妙にマッチして、シンプルであっさり食べられる絶品アップルパイでした。
◆マヨマスタードのズッキーニボート(P.71)
ボウルに卵ときび砂糖を入れて、湯せんにかけながら泡立てます。ここに、太白ごま油、みじん切りにしたにんじん、薄力粉、ベーキングパウダー、シナモンパウダーを加えてさっくりと混ぜ、さらにくるみ、ココナッツファインも加えて混ぜます。この生地をマフィンカップに流し入れ、180度に予熱したオーブンで30分ほど焼きます。この焼けたマフィンの上に、水切りした木綿豆腐ときび砂糖、レモン汁をクリーム状になるまで混ぜたものをのせれば完成。
こちらは、にんじんたっぷり、アメリカのホームメイドケーキです。すりおろしたにんじんをたっぷり入れることで、生地がとてもしっとりし、その中でくるみの食感が良いアクセントになっています。また、上にのせたあっさり豆腐クリームがマフィンの甘さを引き立ててくれるので、お互いの良さがしっかり活きているおやつでした。
☆不格好でも、それがまた良さになる“おやつ”
文=JUNKO