「ファンタジースポーツ」という言葉を聞いたことはありますか?
「架空のスポーツ?」と思った方、実は正反対なんです。ファンタジースポーツとは、現実のスポーツリーグを題材にし、そのリアルなデータを使って遊ぶ知能ゲーム。スポーツビジネスの本場アメリカで生まれ、この10年で爆発的に人気を高めています。今や3000万人以上が参加する巨大なコミュニティに成長し、市場としても価値を高めているんです。
ファンタジースポーツの代名詞とも言えるのが、NFLを中心としたアメリカン・フットボールをテーマにした「ファンタジーフットボール」です。日本ではまだ馴染みの薄いファンタジーフットボール。まずは、基本的なゲームの流れをご紹介しましょう。
①NFL.comやYahoo.comなどの、ファンタジーフットボールを楽しむためのプラットフォームを提供しているサイトで、自分のチームを作成する(チームオーナーになる)。ちなみに、基本プレイ料金は無料!
②誰かがコミッショナーとなり、リーグを立ち上げる。そこに10人くらいのチームオーナーが参加し、1シーズン(9〜1月)のリーグ戦を戦う
③シーズンはじめの「ドラフト」では、オーナーたちは順番に選手を選んでチームを編成。“サラリーキャップ制度”で、高額年俸選手ばかりを集めることはできない
④現実の試合における選手の活躍をもとに、さまざまな点数が加算される。リーグでは毎週、どのチーム同士が対戦するかを決めておき、ポイントの合計によって勝敗を決める
⑤現実の試合で選手が故障した場合、ファンタジーフットボール内でもその選手は出場できなくなるので、新たに選手を獲得する必要がある
⑥リーグ終了時に優勝者を決める。参加料と引き替えに優勝賞金・賞品を出すようなリーグも存在する
どうです? かなり面白そうじゃないですか!?
日本では「やきゅつく」「サカつく」などのスポーツシミュレーションゲームが、類似サービスに当たりますが、ファンタジースポーツの最大の特徴は、「選手のリアルなプレイ内容が架空のリーグに影響する」ということ。
その結果、ファンやチームにとって、大きなメリットが生まれています。
なぜなら、チームオーナーとしてファンタジーフットボールに参加すると、日々NFLについての綿密な調査が必要になるからです。「調子がいい選手は誰か」「ブレイクしそうな若手はいないか」「どの選手とトレードすべきか」など、さまざまな判断をするために、NFLで行われる多くの試合を、つぶさに追いかけることにるんです。
つまり……、自分の贔屓のチームだけでなく、NFL全体の情報に常時触れることになるので、“ファン度”は必然的に高まっていきますよね。日本のプロ野球やJリーグでも、ファンタジースポーツが定着する日は来るのでしょうか? 絶対楽しいと思うんですけどね!
さて、今回の「無限大(mugendai)」は、このファンタジーフットボールを支えるIBMの“学ぶコンピューター”「IBM Watson」テーマです。試合が行われるスタジアムの芝の状況、ケガが選手に与える影響、さらにはソーシャルメディア上に点在する情報までを収集し、「次に何が起こるか」をビッグデータ的な視点で分析しているのだとか。
新しいスポーツの楽しみ方を、さらに進化させる取り組みについて、詳しくは「無限大(mugendai)」をご覧ください。
source: Mugendai(無限大)
(有賀久智)