グーグルの検索結果に過去の逮捕歴が表示されるのはプライバシー権や名誉権の侵害だとして、札幌市の50代男性が検索結果の削除を求めた仮処分申請で、札幌地裁(伊藤太一裁判官)は7日、グーグルに削除を命じる決定を出した。
決定や男性の代理人弁護士によると、男性は2003年に北海道警に逮捕され、罰金20万円の略式命令を受けた。ネット掲示板に逮捕を匿名で報じた記事が転載され、その後男性の実名が複数回書き込まれた。名前をグーグルで検索すると逮捕記事が転載された掲示板などが結果の上位に表示されたことから、男性はグーグルに削除を要請したが断られたため、今年10月に仮処分申請した。
伊藤裁判官は「逮捕から12年が経過し、男性の実名とともに犯罪歴を公表する社会的意義は相当低下している」と指摘。「逮捕事実の公表により、社会生活の平穏と更生を妨げられない利益が害されている」として、プライバシー権が侵害されていると判断した。