中国河南省鄭州市では深刻な大気汚染が続いている。11月30日付の人民網では「昼が夜のよう」と題する記事が写真付きで掲載された。同写真は“真っ白なもや”に包まれた街が映されている。空気の質を表す指標は“最高レベルの汚染度合い”を示した。
同市では5日、市政府の庁舎に小学生の団体が見学に訪れた。中国メディアの央広網が伝えた。
同報道によれば、訪れた児童は興味津々に庁舎内を見て回ったとのことだ。見学を終えた児童に取材をしたところ、「副市長の執務室はもっと大きくて豪華なものだと思った」といった小学生らしい感想から、「市長に会って鄭州をよくするために、自分の意見を言いたかった」など、大人顔負けの感想を述べる子もいたという。
同取材では、記者が「市長に質問したいこと」を児童らに問いかけた。記事はある児童が「どうして鄭州の天気はこんなに悪いのか聞きたい」と答えたことを伝えた。「大気汚染で体育の授業がいつもできないし、ずっと教室にいるのは我慢できない」と続けて述べたという。
天気がどうして悪いのか。この児童が聞きたかった答えは大気汚染の発生原などではないはずだ。鄭州市では6日、環境保護局が石炭ボイラーの削減などを行うことを発表した。ただし今後寒さが厳しくなれば、集中暖房設備を使わざるを得ない。同設備について、一部の都市では環境への負荷が少ないタイプに更新しているが、主流は大気汚染の発生につながりやすい石炭ボイラーだ。子どもが安心して、いつでも外で元気に動き回れる日が早く来ることを祈るばかりだ。(編集担当:大平祥雲)(写真は人民網の30日付報道の画面キャプチャ)