いよいよどんな印刷所も一次締切が迫り来る師走。いかがおすごしでしょうか。
同人誌作成に関する基礎知識をお伝えする記事、今回は『印刷』がテーマです。
同人誌における印刷手法は大体三つに分けられます。
・オフセット印刷
一番メジャーな印刷方法がこちら。版と紙が触れない(オフセット)手法の印刷方式です。発色も綺麗でインクが良好な状態で保たれます。
・オンデマンド印刷
高速プリンターを活用したデジタル印刷。印刷品質はオフセット印刷より数段落ちます。しかし何しろ短いスパンで小部数印刷が可能であるのが強み。メインの新刊に加えて小部数刷りたいときや、サークル規模にあわせて100部以下から発注できるのがメリット。
・孔版印刷
いわゆるシルクスクリーン方式と呼ばれ特殊な布地や紙に微細な孔をあけてメッシュ方式でインクを転写させる手法。扱っている印刷所は少ないのですがオンデマンド同様に小ロットで発注が可能。そしてコストが安い。難点としては経年劣化しやすいことと印刷品質が落ちること。小説本には向いています。
以上が印刷所に発注できる印刷の種類。
しかし昨今ではハイスペックなコピー機やプリンタが登場して個人宅でも印刷ができる時代に。
更に紙にもこだわれば見栄えのするコピー紙もできるのです。
例えばこちらは筆者が過去に作成した和風のコピー本ですが遊び紙に本格和紙を用いています。
この時期は熱狂的に和紙にはまってしまい、わざわざ鎌倉くんだりまで出かけたり、長野県の和紙の産地から気に入った和紙を取り寄せて自ら裁断して手作りしてました。トップ画像の本も折り紙を活用したコピー本です。
そしてこちらが孔版印刷。
何かが写り込んでいますが気にしないでください。映っているのは10年前作成した同人誌の裏表紙です。写真画像とテキストですが案外インク劣化はしていませんね。デザインセンスないのはご愛嬌ということで…当時の精一杯でした。もしご興味がありましたらエディットネットプリンテックという印刷所が大変お勧めです。
そしてこちらがわが猫です。
影が映りこんでいたのはこやつのせいです。
印刷代を安く抑える方法はさまざまにあります。本文のみ印刷所に発注し、表紙は家で印刷してカバーをかけたり帯を巻いたりフィルムでくるんだり。筆者は紙マニアなので世界堂や竹尾見本帖本店などに足繁く通いました。安くよろしい紙を探すのもひとつの楽しみでした。
今回記事を書くにあたり昔の闇歴史を引っ張り出してしかも画像を晒しているわけですが、しみじみと工夫しながら作成していた時のことを思い出してまた作りたくなってしまいました。
さていよいよ冬コミ目前で原稿の追い込みに取り掛かっている作家様も多いことでしょう。四回にわけて同人誌について語ってきたこの記事ですが、これにておひらき。価格やイベントの規模について語ってきましたが大切なのはとにかく心意気。失敗してもいいのです。
少しでも皆様の楽しい同人ライフの参考になりましたら幸いです。
EditNetプリンテック
http://www.editnet-p.jp
竹尾
http://www.takeo.co.jp/
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(執筆者: 小雨) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか