オタクの街建設へさらに一歩──東京都大田区が「コスプレ発祥の地は大田区」と公式に名言 | ニコニコニュース

「おた☆かま実行委員会 ブログ」より。
おたぽる

 今や世界のあちこちで行われているコスプレ。そもそも和製英語に過ぎなかったこの言葉は、今では世界に通用する単語となった。

 そんなコスプレ発祥の地が東京都大田区だということは、ご存じだろうか。大田区といえば大田区産業プラザPiOを中心にオタク文化の栄える地域としても知られている。

 そんな大田区で、大田区が11月に開催された区議会定例会の席上で大田区役所の担当者が「コスプレ発祥の地は大田区」であることを公式に認める発言をしたのである。

 この発言の主は区制70周年の事業などを担当している大田区総務部副参事の佐藤邦子氏だ。去る11月9日の区議会総務財政委員会で、佐藤氏は区議からテレビでも蒲田で行われたコスプレイベントが取り上げられたりしている中で、区として70周年記念事業に取り入れる予定はあるのかという質問の回答の中で「コスプレ発祥の地は大田区」と発言したのである。

 果たして、コスプレ発祥の地は本当に大田区なのか。筆者の取材に対して佐藤氏は大田区が発祥の地であるとする理由を次のように答えた。

「イベントの際に個人が行っているものを含めると諸説あるのは確かです。ただ、コスプレが多くの頻度で行われるようになったのは、大田区で間違いありません。『コミックマーケット40周年史』にも1978年に大田区産業会館で開催されたコミックマーケット8のところに“コスプレ参加者が現れ始める”と記されています。この後、大田区産業会館で開催されたコミックマーケット10、11でもコスプレは行われていたようです」

 佐藤氏も述べている通り誰が最初にコスプレをしたかは諸説ある。ただ、当時のコミックマーケットの事情に詳しい人物によれば「コミックマーケットでコスプレ参加者の存在が認識されたのは、第8回にいた『海のトリトン』のコスプレ参加者だといわれている」という。

 つまり、イベントの中に継続的にコスプレ参加者がいる状況が生まれたのが、コミックマーケット8とすれば「コスプレ発祥の地は大田区」で間違いはないようだ。

 2017年に区制70周年を迎える大田区は、今やコスプレのみならずオタクの街としての地位を固めつつある。9月にはJR蒲田駅東口広場をはじめ蒲田東口商店街一帯で、コスプレと同人誌即売会、フリーマーケットが合体したイベント「おた☆かま」が開催され大いに賑わった。このイベントは今月も12・13の二日間にわたって開催予定。12日は蒲田東口商店街のクリスマスイベントにコスプレが合体。翌13日はライブハウスでのコスプレパーティーを行う予定だ。

 企画当初から携わり、区内でも「オタク議員」あるいは「提督」として知られる大田区議の荻野稔氏は語る。

「今回の“おた★かま”は、商店街のお祭りにコスプレが混じる形で地域とオタク文化の融合を目指すものです。また、コスプレパーティーには大田区在住のアーティストも多数参加します。今回はイベントを通じて一緒に大田区を盛り上げいくことができる仲間を増やすことを目的としています」

 日に日に、オタクが暮らしやすい街としての地位を固めつつある大田区。この地域は、蒲田駅周辺の商店街が充実していてだいたいの買い物は揃うばかりか、都心にもアクセスが至便という万人に住みやすい街でもある。それでいて、23区内では比較的家賃も安いのは魅力的だ。今、引越を考えているならば蒲田を中心とした大田区は、ぜひ候補にいれて間違いはない。なお、筆者が特にオススメしたいのはやたらと物価が安い糀谷、雑色あたりである。
(ルポライター/昼間 たかし http://t-hiruma.jp/)

次回「おた★かま」開催概要
日時:
2015年12月12日(土)12~18時 
2015年12月13日(日)18時~20時45分
会場など詳細は、公式サイトへ
http://otakama.hatenablog.com/