パック入り納豆に必ずといっていいほど入っている、あのフィルム。外そうとしたときに豆がくっついたり、手がベトベトになったりして、イライラしたことはありませんか? そんなフィルムの上手な外し方が発見されたとネット上で話題になっています。はたして、その方法は正しいのか? そもそも何のためにフィルムが入っているのか? 全国納豆協同組合連合会に聞きました。
【写真】画像で解説「スライド手法」(手を汚さず豆もつかないフィルムの外し方)。オススメレシピも紹介
こんな外し方です
話題になっている外し方は以下の通りです。
1)フタを開ける
こうすることで、豆がくっつくことも、手が汚れることもなくフィルムを外すことができます。ツイッター上では「発明だ」「こうすればいいのか」などといった声が上がっています。
納豆連に聞きました
この方法はオススメできる外し方なのか? 全国納豆協同組合連合会(納豆連)の広報担当者に聞いたところ、こんな回答が返ってきました。
「その外し方は『スライド手法』と呼ばれています。私どもがオススメしているやり方の一つです。PSP(発泡スチレンシート)の容器に入った納豆に適しています」
PSP容器とは、おなじみの白くてやや平たい発泡スチロールからできた容器のこと。店頭で販売されている納豆には、他にも「紙パック」があります。こちらの場合は底が深めで、納豆と接しているフィルムの上に別のフィルムでフタがされているため、スライド手法が使えません。どうしたらいいのでしょうか?
「紙パックに適しているのは『トルネード手法』です」と納豆連の広報担当者。手順は以下の通りです。
1)納豆に接しているフィルムをつかむ
納豆連に聞いた上記二つの方法以外にも、フィルムの真ん中に箸を刺して、パスタを巻くように箸をクルクル回す方法でも上手に外すことができるようです。
フィルムのない商品も存在
そもそも、なぜフィルムが入っているのか? その理由は「納豆が乾燥するのを防ぐ」「タレやカラシを乗せたときにネバネバがつかないようにするため」の二つだといいます。
これらを克服して、フィルムなしで販売している商品があります。ミツカンの「金のつぶ パキッ!とたれ」です。2012年1月に発売されたこの商品。タレを小袋ではなく、ふたの上部に入れておき、ふたを割ると中身が出てくる仕組みです。
フィルムをなくしても大丈夫なのか? ミツカンの担当者はこう説明します。
「納豆は菌が生きているため、完全に密封してしまうと発酵が進みません。一方で、空気に触れすぎると乾燥を早めてしまいます。従来の商品でフィルムがあるのは、こうした乾燥を防ぐためでした。『パキッ!とたれ』では、ふたの中心をへこませることで ふたを割りやすくするとともに、乾燥防止の役目も果たしています。このような形状をとることでフィルム無しでも容器内の乾燥を最適にコントロールすることが可能となりました」
見た目の楽しさだけでなく、乾燥を防ぐ工夫をした上でフィルムを外しているとのことでした。