日経平均が2万円あたりでウロウロしている今のうちこそ、業績や株価指数での評価は高いにもかかわらず、外国人の売りで需給の面から大きく下落した銘柄を、日本株を売り越したヘッジファンドに先んじて買うチャンスだ。
日経平均株価は9月末でボトムアウトし、その後はリバウンドに転じてきています。ただ、2万円のレベルは、テクニカルポイントが重なる水準でもあり、上値の重さも目立ち始めてきています。この水準を突破するには、ある程度の売買ボリュームの回復が必要となってきますが、現状の売買代金は低水準が継続する形となっています。
中国を中心とした世界景気の減速懸念、米国の利上げ時期を巡る不透明感などは簡単に拭えそうになく、様子見ムードを崩しにくい要因も残りますが、一方で、日本郵政グループの上場を通過して、需給の最悪期は脱したとも判断されます。
また、3月期決算発表銘柄の上半期決算発表も11月で一巡、銘柄選別がしやすいタイミングとなっていることも、売買代金の増加要因となるはずです。
さらに、11月はヘッジファンドの決算月にも当たるため、新年度入りとなる12月からの資金流入も期待できると考えます。8月の世界株安以降、ここまでの日本株の戻りは、欧米株に比べ限定的にとどまっており、今後、日本株のリバウンドを狙った動きが強まる可能性は高いでしょう。
利上げ実施後も米国株が上昇基調を辿るような状況となれば、為替市場が円安傾向を強めるだろうことも含め、日本株にとっては一段と環境が改善することになります。利上げ懸念は長期にわたっていることから、悪影響は十分に織り込まれているとも判断され、そうした状況となっていく可能性も高いと言えます。今後は日本株の本格上昇などを、持たざるリスクとして考慮すべき局面に入っていく公算も大きく、ヘッジファンドの日本株買いを誘う要件ともなるでしょう。
こうした状況下、年末に向けては、需給主導で売り込まれた銘柄群のリバウンドが注目できると考えます。実体以上の割安な水準にまで下落、その後も低水準に放置されているような銘柄は、ヘッジファンドの押し目買いの対象になっていくと考えられます。外国人投資家の売りに押されたとみられるような銘柄で、業績が順調に推移、かつ、高収益性を誇る銘柄などを選別物色していきたいところです。
以上の考えから、フィスコアプリで日経平均株価が高値をつけた6月24日から10月29日までの株価下落率が20%以上、外国人持ち株比率が30%以上、今期予想を含め3期連続で営業利益が5%以上の増益、今期予想ROEが10%以上、時価総額500億円以上でスクリーニングして、まずは6銘柄をピックアップ。
今回はその中から3銘柄を取り上げたいと思います。好業績にも関わらず外国人の売りによる需給面主導で売り込まれた可能性が高く、今後の押し目買いの候補と位置付けられる銘柄群といえるでしょう。(フィスコ・佐藤勝己)
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