先週の中ごろから、パソコンのファイルを勝手に書き換えてしまう、通称「vvvウイルス」の被害報告が続々と登場。ネットユーザーの間で騒ぎになっている。
「vvvウイルス」に感染すると、パソコンに保存されている文書や画像などのファイルの拡張子が「.vvv」に書き換えられてしまい、ファイルを利用することができなくなってしまうという。12月5日に、あるツイッターユーザーが、
「HDD内の拡張子がほとんどvvvになってるんだけど!?」
と、連続ツイートすると、ウイルスの情報は一気に拡散し、その後、
「これはやられたな 拡張子が全部vvvになってる 最悪だ」
など、ほかにも被害報告が寄せられている。
ツイッターでは、「広告を見ただけで感染する」との情報が飛び交い、まとめサイトなどを名指しで感染源だとするツイートまで拡散。
また、あるツイッターユーザーが、vvvウイルスに関する注意喚起用文章を公開し、これが6万人以上にリツイートされたが、この文章に掲載された情報の正確性に対して疑問の声も寄せられ、一部からはウイルスの存在自体がデマではないかと疑う声さえあがっている。
一方、大手セキュリティ会社3社の見解は以下のようなものだ(12月8日18時時点)。
シマンテック: 「(vvvウイルスについて)現在、サイトで該当する広告を表示するだけで感染するという具体的な確証は得られておりません」(ノートン公式Facebookより)
トレンドマイクロ: 「(vvvウイルスが、ランサムウェア「CryptTesla」の一種であることが判明しているものの)今のところ日本国内で被害が急増した形跡は見当たらず(中略)日本をターゲットにしているものではない」(ニュースサイト「INTERNET WATCH」より)
カスペルスキー: 「(vvvウイルスは)マイナーバージョンアップした『TeslaCrypt』である。(中略)日本国内における感染数はそれほど多くない」(ニュースサイト「Security NEXT」より」
シマンテックはやや控えめな表現であるものの、トレンドマイクロとカスペルスキーはvvvウイルスの存在を認めている。ただ、現時点で日本のPCへの感染は拡大していないという見方だ。
実際ツイッターを見るかぎり、幸いなことに感染例はそれほど多くない。感染が気なる人は、Windowsや各ソフトウェアのアップデートを行い最新版にするという、セキュリティの基本をしっかり押さえておくことが肝要のようだ。
※当記事は2015年12月08日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。