教育に熱心な親御さんが「子どもの漫画閲覧は制限すべき!」と主張している様子をネットやテレビで時折見かけるが、漫画から学ぶことだってたくさんある。少しダーティーな内容の漫画からは、「俺はコレで世間を知った」と勉強になった経験もあるのでは? そこで、30~40代の小学生低学年の子どもを持つ男性会社員200人に、今から子どもに読ませたいと思うダーク漫画を選んでもらった。(協力/アイリサーチ)
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〈親が子どもに読ませたいダーク漫画TOP10〉
(全19の選択肢から上位3位まで選択。1位=3pt、2位=2pt、3位=1ptで集計)
1位 『三国志』(横山光輝) 136pt
2位 『ナニワ金融道』(青木雄二) 135pt
3位 『課長島耕作』(弘兼憲史) 133pt
4位 『北斗の拳』(武論尊/原哲夫) 94pt
5位 『ブラックジャック』(手塚治虫) 93pt
6位 『ミナミの帝王』(天王寺大/郷力也) 77pt
7位 『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰) 55pt
8位 『バガボンド』(井上雄彦) 43pt
9位 『カバチタレ!』(田島隆/東風孝広) 40pt
10位 『ゴルゴ13』(さいとうたかを) 39pt※番外
11位 『頭文字D』(しげの秀一) 30pt
12位 『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦) 29pt
13位 『寄生獣』(岩明均) 25ptトップ3は『三国志』『ナニワ金融道』『課長島耕作』。歴史、金融、ビジネスと、ジャンルの違う3作が僅差の争いを繰り広げた。では、それぞれに寄せられたコメントを紹介しよう。
【1位 『三国志』(横山光輝)】
「読み応えがあるから(描写はえげつないが)」(39歳)
「野心を持つのに役立ちそうだから」(44歳)
「歴史にも強くなり様々な考えを学んでくれそう」(39歳)
「歴史の勉強になるし、現代にも残る諺や慣用句の元も多々あるので」(40歳)
「様々な人間がいる点についての社会勉強」(40歳)
「個々の人物の生き方から学んでほしい」(47歳)【2位 『ナニワ金融道』(青木雄二)】
「お金の怖さを知るべきだと思って」(32歳)
「お金の感覚を身につけさせたい」(44歳)
「綺麗ごとだけでは渡り歩けない社会の縮図を感じることができるから」(47歳)
「世間を知るため」(38歳)
「金融の権利の勉強になる」(48歳)【3位 『課長島耕作』(弘兼憲史)】
「社会の仕組みを理解できる」(38歳)
「社内、社外の事、世の中の事が事細かく描いているから」(49歳)
「現代社会をそのまま描いているので、現実に近いものを知ってもらいたい」(40歳)
「ビジネスマンにとって必要」(46歳)
「前向きな姿勢を学んで欲しいから」(33歳)
「人生勉強になる」(48歳)【4位 『北斗の拳』(武論尊/原哲夫)】
「愛深き故、悲しみを背負うことで強くなる姿はすばらしい」(40歳)
「漢の生きざま」(38歳)
「自分もこの漫画に色々教わったから」(43歳)【5位 『ブラックジャック』(手塚治虫)】
「正義感の基準を自分なりに考えてほしいから」(40歳)
「人に役立つ仕事に興味を持ってほしいから」(38歳)
「面白く、ダークな部分が少ないから」(42歳)
「手塚治虫のマンガはよいイメージがある」(43歳)
「人間とは何かを問いかけた作品だと思うから」(40歳)【6位 『ミナミの帝王』(天王寺大/郷力也)】
「金に纏わる法律を学べるから」(33歳)
「悪どい人間が存在していることを知り、闇の世界に踏み入れないように注意して欲しいから」(36歳)
「裏稼業でありながら、頭を使い悪者を懲らしめるところ」(45歳)【7位 『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)】
「医者という職業の裏事情や社会情勢が考えさせられる内容であったため」(43歳)
「命の大切さを理解できると思う」(43歳)【8位 『バガボンド』(井上雄彦)】
「宮本武蔵を知ってほしいから」(45歳)
「男らしくまっすぐな心意気とひょうきんさ」(40歳)【9位 『カバチタレ!』(田島隆/東風孝広)】
「行政書士の仕事をリアルに嫌味をたっぷりと含めていて、 現代社会の勉強になると思うから」(45歳)【10位 『ゴルゴ13』(さいとうたかを)】
「冷静」(42歳)漫画の多様なストーリーに絡めた様々な意見が並んだが、総じて「社会勉強になった」という意見が大半だった。
ちなみに、もっとも票を集めたのは「その他」の162pt。他の作品名を挙げる声もあったが、「特に読ませたくない」(41歳)、「まだ早い」(36歳)、「個人が考えて読めばよい」(42歳)など、積極的には読ませたくない、とのコメントが目立った。今回は「小学校低学年の子どもを持つ親」へのアンケートだっただけに、ちょっと早かったか…。将来、子どもと漫画を片手に社会問題について語り合うのを楽しみに、今から気になる作品を集めておきたいものだ。
(二祥 翼)
※当記事は2015年12月10日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。