中国上海市にはトランスラピッド方式による磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)が存在する。上海浦東空港と上海市郊外を結ぶ同鉄道の営業最高速度は時速430kmに達するが、ドイツ企業など国外の技術を導入して建設されたもので、中国が独自で開発したリニアモーターカーではない。
だが、中国メディアの駆動之家によれば、湖南省長沙市で建設中だった低速リニアモーターカーがまもなく試運転を開始する見込みだ。報道によれば、同リニアモーターカーは、中国が独自に研究開発を行ったもので、中国鉄建鉄四院が設計、施工を担当した。路線の全長は18.5km、設計速度は時速100kmだという。
記事は、レール上を走行する鉄道車両に比べ、リニアモーターカーは車輪がないため維持費を削減することができるうえ車両の寿命も長いと紹介。さらに、走行の安定性や静音性にも優れ、環境に優しいという利点があるとする一方、「リニアモーターカーの建設コストは高速鉄道より高額であることがネックだ」と論じた。
現在、リニアモーターカーの技術を持つ国としては、ドイツや英国、中国のほかに日本などが挙げられる。日本では「中央新幹線(リニア新幹線)」で東京-大阪間を最速67分で結ぶ計画のもと、すでに路線の建設が始まっている。
また、次世代の鉄道インフラをめぐる争いとしては、中国や米国では「真空に近い状態にした環状の空間内を車両が走行する」という技術が開発中だ。中国の各メディアは2014年、同技術を使えば未来のリニアモーターカーは空気抵抗がほとんどない空間を走行できるため、時速2897kmまでスピードを上げることができる可能性があると伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)